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» 2019年07月08日 09時23分 公開

DNAストレージよりコンパクトなメタボロームストレージ、ブラウン大学が開発に成功

DARPAの支援でメタボロームストレージの開発に取り組むブラウン大学が、2KBサイズの猫の画像データの分子へのエンコードと読み取りに成功したと発表した。

[佐藤由紀子,ITmedia]

 米ブラウン大学は7月3日(現地時間)、合成メタボロームに情報を記録・再生する技術に関する論文を公開した。近年研究が進んでいるDNAストレージよりも大きな情報密度を持つ可能性があるとしている。

 メタボロームとは、生体内に存在する、代謝活動によって作り出される糖やアミノ酸などの低分子の総称。ブラウン大学工学部のジェイコブ・ローゼンスタイン教授が率いるチームは、データを保存・検索できる人工的なメタボロームの生成に成功した。論文で、エジプトの猫、ヤギ、錨(いかり)の絵をメタボローム溶液にエンコードし、再現する方法を示した。

 メタボロームは、生物が代謝を調整するために特定の配列を持つ。人工メタボロームに一部が欠損する配列を持たせることで1ビットのデジタルデータをエンコードする。このメタボローム入りの混合液を小さな金属プレート上に液体ハンドリングロボットでナノリットル単位で配置し、プレートを乾燥させることでデータを保存する。このプレート上のメタボロームを質量分析計で読み取れば、データを複合化できるというというのが大まかな仕組みだ。

 metabo (論文より)

 この技術で、最大2KBまでの画像ファイルのエンコードに成功したとしている。

 cat

 ブラウン大学によると、世界で生成されるデータ量は2040年までに3セプティリオン(10の24乗)ビットを超えるという。同大学では、これらすべてを保存、検索、処理するための方法を研究している。研究には米防衛高等研究プロジェクト管理局(DARPA)が出資している。

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