東芝はこのほど、組み合わせ最適化計算に特化した既存の量子コンピュータよりも高速・大規模に問題を解ける「シミュレーテッド分岐アルゴリズム」を実装したマシンをクラウド上に公開した。Amazon Web Services上の仮想サーバ利用料金(1時間約3ドル)のみで利用できる。
シミュレーテッド分岐アルゴリズムは、組み合わせ最適化問題を表すビット配列である「イジングモデル」を解くアルゴリズムの一つ。組み合わせ最適化計算は、交通渋滞の解消や金融ポートフォリオ最適化など、社会問題の解決やビジネスへの応用が見込める。
量子性を用いた計算や、量子計算を模した専用のデジタル回路などによる組み合わせ最適化計算の研究に、日本やカナダの企業が取り組んでいる。そんな中、東芝が19年4月に発表した同アルゴリズムは、FPGAやGPUに実装することで既存の計算マシンより高速・大規模に組み合わせ最適化計算を行えるという。
東芝がクラウド上に公開した「シミュレーテッド分岐マシン」では、1万変数・全結合までのイジングモデルを解ける。
同社は8月1日に、シミュレーテッド分岐アルゴリズムの概要を解説する英語ページをオープンした。日本語ページも近く公開予定。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR