LOHACO事業の立て直しに関しては、前体制で策定した方針を継続。ニトリや無印良品をモデルケースに、日用品のプライベートブランドの開発・展開に注力する他、自社配送網の構築を進め、利益率の改善を目指す。
この方針を定めた岩田前社長はアスクルを去ったが、吉岡新社長は「これまで、カリスマ創業社長だった岩田に頼っていた面があったことは事実。今後は権限の委譲なども行い、岩田を頼らずとも、社員が自ら考える風土をつくりたい」と説明した。
現在のアスクルは、独立社外取締役がいないという異例な状況に置かれている。吉岡新社長らの昇格を決める人事も、独立役員会を中心とした指名・報酬委員会を組織できなかったため、例外的に取締役のみで決議したという。
今後はこうした状況を避けるべく、臨時株主総会を開いて対応策を議論する計画という。独立社外取締役の候補者が見つかった場合は同会で付議し、選定理由や経緯を一般に公開した上で最終決定するとしている。
ただ、人選を誤った場合は、ヤフー側が取締役会における過半数の意思決定権を持つことになるため、選任の時期は「特に定めず、拙速にならないようにする」(吉岡新社長)という。
会見には吉岡新社長の他、B2B事業担当の吉田COO、B2C事業担当の木村新COO(CMOと兼任)も登壇した。
報道陣から今後の意気込みを問われ、吉田COOは「B2Bカンパニーの売上利益をしっかり上げ、アスクルの企業価値を高めるのがわれわれの使命だ」、木村新COOは「兼務は大変な重責だが、これまでB2B事業で培ってきたメーカーとの関係性などを生かしてLOHACOを伸ばし、大きな価値を創造していきたい」と語った。
「社長が辞めて大丈夫か」「ヤフーはLOHACOを奪うのか」 アスクル株主総会で質問飛び交う
アスクル岩田社長が退任 「立場にしがみつくつもりはない。全て終わり」Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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