ITmedia NEWS > 企業・業界動向 >
ニュース
» 2019年08月05日 22時47分 公開

ソフトバンク宮内社長、アスクルとの対立問題で「ヤフー支持」明言 「正しさはいずれ分かる」「大義あった」 (1/2)

ソフトバンクの宮内謙社長が、ヤフーとアスクルが経営を巡って対立している問題に言及。「ヤフーの事業を大きくできるのであれば、肯定したい」「半年ほどたったら(正しさは)証明されるだろう」と賛成する姿勢を示した。ヤフーは、アスクルが2日に開いた定時株主総会で、岩田彰一郎前社長らの再任に反対する議決権を行使。計4人を退任させ、物議を醸していた。

[濱口翔太郎,ITmedia]

 ソフトバンクの宮内謙社長は8月5日に開いた決算会見(2019年4〜6月期)で、連結子会社化したヤフーとその子会社アスクルが経営を巡って対立している問題に言及した。アスクルの筆頭株主であるヤフーは、第2位株主プラスとともに、アスクルが2日に開いた定時株主総会で、岩田彰一郎前社長らの再任に反対する議決権を行使。岩田氏と3人の独立社外取締役を退任させ、物議を醸していた。この決断について、宮内社長は「ヤフーの事業を大きくできるのであれば、肯定したい」「半年ほどたったら(正しさは)証明されるだろう」などと賛成する姿勢を示した。

 親会社ソフトバンクグループは、2日付で「(同社の孫正義社長は)投資先との同志的な結合を何よりも重視するため、(ヤフーが)今回のような手段を講じることについて反対の意見を持っている」とのコメントを発表していた。一方の宮内社長は肯定的な姿勢を貫き、「苦渋の決断だったが、将来的には(報道陣や世間一般を含めた)皆さんにも分かっていただけると考えている」と説明した。

photo 連結子会社化したヤフーとのシナジーを強調する、ソフトバンクの宮内謙社長

ヤフーとアスクルは、LOHACOを巡って対立

 ヤフーとアスクルは、12年4月に資本・業務提携を締結。同年10月には共同運営するECサイト「LOHACO」をスタートし、15年には出資比率(議決権ベース)を約45%に引き上げた。だが、LOHACOは開始から赤字が続き、17年2月には同サービスの物流拠点で火災が発生した。その影響もあり、19年5月期の赤字幅は約90億円に拡大した。事態を重く見たヤフーは議決権を行使し、アスクルの経営陣を刷新した。

 アスクルは、ヤフーの一連の動きに徹底抗戦する構えを見せ、7月に開示した資料で「ヤフーから1月に、LOHACOの譲渡を検討するよう打診された」「ヤフーの川邊健太郎社長が6月にアスクルを訪問し、岩田前社長に退陣を要求した」といった内情を暴露した他、資本関係の解消を繰り返し求めてきた(ヤフー側は拒否)。

「LOHACOうんぬんという話はしなかった気がする」

 こうした背景を踏まえ、ソフトバンクの決算会見では、宮内社長に対して「子会社と孫会社の対立をどの程度知っていたのか」「LOHACOを移管するようヤフーに指示したのはソフトバンクではないか」と勘繰る質問が飛んだ。

 これに対し宮内社長は、「ヤフーの経営陣とは毎週ミーティングをしているが、LOHACOうんぬんという話はしなかった気がする。年がら年中、『アスクルとの協業をもっと強化してはどうか』という話はしているが、LOHACOの吸収・分社化の話はしなかったように思う。LOHACOの話は、Yahoo!ショッピングやPayPayについて話す中で触れた(程度)かもしれない」とし、明言を避けた。

 ヤフーがアスクルの経営陣を刷新したことの妥当性に話が及ぶと、宮内社長は「ヤフーの川邊が『ECを伸ばしたい』を強く思っていることは知っている。アスクルに(火災などの)不幸はあったが、LOHACOは90億円の赤字であり、あまり伸びていない。経営陣を刷新しない限りは立て直せないと、川邊や小澤(隆生氏、ヤフーがアスクルに派遣している社外取締役)は判断したのかもしれない。ヤフーはソフトバンクの大事な成長エンジン。彼らの行動を肯定し、事業を大きくできることを証明したい」と、肯定的な姿勢を強調した。

アスクルの経営実態に不備? 「大義があった」

 宮内社長はこの他、報道陣に対し、「詳しく触れるわけにはいかないが、記者の方々はアスクルの(旧体制での)経営実態をよく調べたほうがいい。ヤフーが言っていることが正しいのかどうか、おそらく半年ほどたったら証明されるだろうと思う。『事業を大きく伸ばすための大義があったんじゃないか』と理解してもらえるだろう」とコメントし、岩田前社長による経営に何らかの問題があったことを暗に示した。

 岩田前社長の後を継ぎ、2日付でアスクルの新社長に就いた吉岡晃氏は、同日の記者会見で「ヤフーとの資本関係を解消したいという基本姿勢は変わっていない」との意向を示していた。だが宮内社長は、これに対しても「アスクルは本当に(今も)関係解消を求めているのだろうか。過去の経営陣はそうだったかもしれないが、新しい経営陣は『ヤフーと連携してやっていく方がいいのか』と考えているとの話も伝わってくる」と、示唆に富むコメントを残した。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.