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AIベンチャーは「ヤフー知恵袋」じゃない タダ働きからの卒業宣言マスクド・アナライズのAIベンチャー場外乱闘!(4/5 ページ)

» 2019年08月06日 07時00分 公開

問題解決のヒントはユニークな“あの店”にあり

 IT製品の検討は時間が掛かり無駄も多く、旧来のやり方を変えなければ導入側も提案側も無駄なリソースが費やされるばかりです。無駄をなくして効率化したり、意思決定を支援するのがデータ分析の目的ですが、これでは本末転倒です。

 しかしユーザー企業のITリテラシー向上や、分析ツールベンダーの資料整備には時間がかかります。すぐに導入側と提案側のミスマッチを減らして、効率よく情報収集や比較検討を進めるにはどうすればいいでしょう。

 お互い手間をかけずに複数の製品を比較検討して、気軽に担当者に相談するにはどうすればいいか――そんな悩みを抱えて新宿の歌舞伎町を歩いていて、繁華街の中で存在感を放つ看板を見てひらめきました。

 その答えは「相席屋」にあったのです。相席屋は、結婚や恋愛につながる出会いを求める男女が相席する居酒屋です。確実に異性と出会えて、席替えシステムやテーブルゲームが用意されていたりと、さまざまな配慮が行き届いています。

 この相席屋を基にして、データ分析ツールを求めるユーザー企業と、提供するベンダーをマッチングする場を提供すればいいのです。既に同様の仕組みとして展示会がありますが、開催回数は限定され、会場は都心から離れており、出展費用も最低数百万円かかるため負担が大きいです。

 費用を抑えるために場所は都内の貸し会議室にして、そこで複数のデータ分析ツールベンダーが集まる合同セミナーを開くのはどうでしょう。IT業界は競合他社同士の関係性が、他業種と比べてそこまで険悪ではありません。データ分析ツールの比較検討や情報収集をしたいユーザーを集めて、半日で複数製品の担当者にその場で相談できます。

 展示会でも同様の施策は可能ですが、椅子に座って静かな環境で説明できますし、コンセプトの近い製品を少数集めるほうが確度の高い顧客を呼べます。合わせてプレゼンやデモを中継したり、撮影した動画をアップロードしておけば、当日参加できなかった地方在住者にもアプローチできます。

 似たコンセプトとして製品資料を請求したユーザーの情報を提供するサービスもありますが、確度の低さや料金の高さといった問題もあります。貸し会議室による合同セミナーなら毎月開催でも費用は安く済み、データ分析ツールは緊急性の高い製品ではないので、月1回程度の開催でも問題ありません。そもそも複数社を呼んで都度検討すれば、同じくらい手間や時間はかかります。

 受注確度の分からない顧客を都度訪問するより、最初はミスマッチを防ぐために合同セミナーに参加してもらう方が手間も省けて、社内リソースも効率的に活用できます。

相席屋スタイルの合同セミナー

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