次にタリク・シャウカット氏が、通信、メディアエンターテインメント分野のユーザー事例として紹介したのは、ガンホー・オンライン・エンターテイメントの菊池貴則CTOだ。自社事業説明の後、GCPの活用事例としてモバイル向けゲームプラットフォーム「mspo」を紹介。
GCPをフルコミット採用した理由について次の様に述べた。「mspoは広告収入モデルなのでGCPとの相性の良さが挙げられる。また、アクセス分析等によるGoogleの広告ビジネスとのシームレスな連携が可能であり、ユーザーの認証周りでの拡張性の高さが採用の理由」と明かす。
菊池氏が降壇した後に再度登場したシャウカット氏が、人気ゲームに関し、「エキサイティングなニュースを発表する」と前置きした上で、重要な情報を明かした。6月3日公表されたスクウェア・エニックスの「ドラゴンクエストウォーク」がGCPの採用を決めたというのだ。ただ、シャウカット氏はそれ以上この話題に触れなかったので、その他の詳細については不明だ。
GCPの新しいサービス「Anthos」の詳細について説明するために登壇したのは、Google Cloud エンジニアリング、クラウド サービス プラットフォーム部門 バイス プレジデントのイヤル・マナー氏だ。以前、Cloud Service Platformという名称で発表したサービスを、一般公開にあたりサービス名を「Anthos」としたと説明。「そして、Anthosをマルチクラウド対応にすることでさらに進化させた」という。
「今後は、マルチクラウド、オンプレミスのハイブリッドが主流になる。ただ、コンテナ化したアプリケーションをオンプレミスとクラウドのどちらでも実行可能にするハイブリッド化や、マルチクラウドは、開発者の負担が増え、計画性が乏しいと開発に時間がかかり運用コストも上昇する」といいた趣旨でマルチクラウド、ハイブリッドクラウドの課題を説明した後、Anthosがそれを解決してくれると締めくくった。
イヤル・マナー氏の「デモを見ていただましょう」と促されて登壇したのは、Google Cloud カスタマーエンジニア 技術部長の佐藤聖規氏だ。「Migrate for Anthos」のベータ版をリリースしたことを紹介。Migrate for Anthosは、ユーザーが運用している、仮想マシンでの修正やアプリケーションの書き直しを必要としないで、直接Kubernetes上のコンテナにモダナイズするためのツールだ。オンプレミス環境で実行中の架空のECサイトを、スクリプトを実行してクラウド上で実行するデモを披露した。
そして注目は、Anthosのマルチクラウド性を示す実例が示された点だった。上図では、3つのIPアドレスとURLが示されているが、真ん中のURLに注目してほしい。「amazonaws.com」の文字列が確認できる。マルチクラウド管理ツールとして、AWS上のアプリケーションも一元的に管理可能なことを示している。
次に登壇したのは、NTTコミュニケーションズ株式会社 理事 第五営業本部長の工藤晶子氏。Google Kubernetes Engine(GKE)を自社のエンタープレイズ向けクラウドサービスやAIアプリケーションの基盤として採用したことを紹介した。現在は、PoC段階であると前置きした上で、「パブリッククラウドへデータを持ち出すことを不安視して、抵抗を感じる日本企業は多い。NTTコミュニケーションズのエンタープライズクラウドとGKEをハイブリッド化して提供することで、そんな日本企業のユーザーにも安心して使ってもらえる」と胸を張る。
Google Cloud データベース部門 プロダクト マーケティング マネージャーのエイミー・クリシュナモハン氏によるCloud SQLの紹介の後、Google Cloud スペシャリスト カスタマー エンジニアリング 技術リードの寳野雄太氏によるCloud SQLのデモが紹介された。
「GoogleCloudは、Windowsアプリケーションのクラウド移行を支援するために、Windows ServerとSQLサーバの調整済みの仮想マシンイメージを準備している。既存のライセンスを利用することも可能だし、弊社からライセンスを購入することも可能」と語った。さらに、新たにリリースされる新サービス「Managed Service for Microsoft Active Directory」では「ディレクト依存のあるアプリケーションやサーバーをGCPに移行可能」とサービスのメリットを力説した。
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