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» 2019年08月06日 07時00分 公開

「クラウドは旅路、我々が寄り添う」 ドラクエ、メルペイも採用するGoogle Cloudの今Google Cloud Next ’19 in Tokyo(5/5 ページ)

[山崎潤一郎,ITmedia]
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 基調講演も佳境に入る中で登場したのは、Google 日本法人代表のピーター・フィッツジェラルド氏。「日本の市場は、とてもユニークであることを理解している」としつつ「日本の企業は、データ志向型の経営方針を取り入れて、いろいろなビジネスを試してほしい」と訴える。GCPを使うことで「PoCの結果から、短時間でシステムを拡張してサービスにつなげる部分に、新しいチャンスがある」と日本企業を鼓舞する。

photo Google 日本法人代表のピーター・フィッツジェラルド氏

 そして、1つのユーザー事例を示した。ZOZOTOWNを運営するZOZOの子会社である、ZOZOテクノロジーは、サイトにビジュアルサーチを導入し、ユーザーにリッチ体験を提供しているそうだ。

 Google CloudのGPUを活用し「TensorFlowモデルを取り入れて、従来より55倍の検索速度を実現した」という。さらに、JR東日本の事例も紹介。画像認識の技術を導入して、線路上の不具合を発見していることも紹介した。

 フィッツジェラルド氏が大トリの登壇者として紹介したのが、東日本旅客鉄道 取締役副会長の小縣方樹氏だった。JR東日本のビジネス構造や鉄道事業以外の生活サービス事業(電子マネー、リテール、ホテル、広告など)の紹介の後、「これからは。我々はMaaSを目指す」との宣言があった。

photo 東日本旅客鉄道 取締役副会長の小縣方樹氏

 JR東日本が考えるMaaS(Mobility as a Service)とは、「すべての交通機機関が協調することで一貫輸送すれば目的地への到着時間を短縮できる」というものだ。現状は、JRと私鉄の相互乗り入れによる直通運転や、乗り換え時の情報提供体制を整備するなどして、短縮を目指している。

photo JR東日本が目指すMaaS。ファーストワンマイルやラストワンマイルにライドシェアなどを取り入れるようだ

 MaaSでは、新しいモビリティ・ソリューションとの統合を果たすことで、それを実現するという。新しいモビリティ・ソリューションというのは、自宅から駅のファーストワンマイルや到着拠点を降りてから目的地までのラストワンマイルを担う新交通システム(ライドシェアなど)などのことだ(図中の3の部分)。

 さらに、Google Cloudを活用した車両等のメンテナンスシステム、CBM(Condition Based Maintenance)を検証中であると明かした。車両の部品交換など、従来のメンテナンスのタイミングは、時間ベースで実施していたが、CBMでは、GCPのAI技術を導入することで、次世代のメンテナンスを実現するという。センサー類から得られるデータを解析することで、老朽化や異常といったなど設備や部品の状態を予知し、コストや人員の削減が期待されている。

 約2時間以上に及んだ、Google Cloud Next ’19 in Tokyoの基調演説第1日目の最後は、Google Cloud日本代表の阿部伸一氏とJR東日本の小縣方樹氏が握手を交わすフォトセッションで閉幕した。オンプレミスからクラウドへ、という成長市場の中で、AWSやAzureという手強いライバルに負けじと満を持して登場した「Anthos」。果たして日本でのシェア拡大に寄与するのだろうか。来年のGoogle Cloud Next ’20には、なんらかの回答が得られるのかもしれない。

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