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» 2019年09月24日 21時18分 公開

日本マイクロソフト、公共機関へのクラウド導入に本腰 専門部隊で「Azure」など訴求 「海外に追い付き、追い越す」

日本マイクロソフトが、公共機関へのクラウド導入に注力する方針を発表。「Microsoft Azure」「Office 365」「Dynamics 365」の展開を推進し、クラウド活用における米国・英国の公共機関との差を埋めることを目指すという。公共機関へのクラウド導入に特化した新部門を立ち上げ済みで、9月から活動を本格化しているという。

[濱口翔太郎,ITmedia]

 日本マイクロソフトは9月24日、中央省庁や自治体などの公共機関をターゲットに、同社のクラウドサービス「Microsoft Azure」「Office 365」「Dynamics 365」の展開に注力する方針を明らかにした。公共機関へのクラウド導入を推進する新部門「デジタル・ガバメント統括本部」を7月に立ち上げており、9月から活動を本格化しているという。

 日本政府は2018年に、情報システムを整備する際にクラウドの利用を第一候補とする「クラウド・バイ・デフォルト原則」を発表したが、日本マイクロソフトの佐藤知成執行役員 常務は「(日本の政府や公共機関は)米国・英国・豪州といった諸外国よりもクラウド活用に後れを取っている」と指摘。同社製品の導入によって差を埋める狙いがある。

photo 日本マイクロソフトが、公共機関へのクラウド導入に本腰を入れる

 デジタル・ガバメント統括本部は営業担当者の他、クラウドシステムの構築スキルを持つアーキテクトら約35人が在籍。Microsoftグループの海外法人で公共機関のクラウド導入を手掛けた担当者も日本法人に転籍した上で参加している。

営業活動に注力、職員向けのIT教育も実施

 同部門は今後、パートナー企業やSIerと組み、公共機関を対象とした営業活動を行う予定。公共インフラの管理システム、公的文書の管理システム、職員同士の連絡ツールなどをクラウドサービスに置き換え、職員の業務効率化をサポートするという。教育、育児支援、防災、医療といった領域へのクラウド導入も推進し、国民・地域住民に提供するサービスの品質向上にも寄与するとしている。

 職員のITスキル向上を目的としたオンライン講座やワークショップなども行う予定で、中央省庁や自治体で企業のCIO(最高情報責任者)のような役割を担える人材の輩出を目指すとしている。

photo 事務作業を最適化するだけでなく、住民向けのサービスの質も高めるという

 公共機関では、戸籍情報などの個人情報をクラウド上に置くことが禁じられているが、Azure上のアプリケーションをオンプレミス環境でも動かせる拡張機能「Azure Stack」を用いたハイブリッドクラウド環境の構築を支援し、「ローカルのデータセンターとクラウド環境のオンオフを切り替えられるようにする」(佐藤執行役員 常務)としている。

photo デジタル・ガバメント統括本部の業務内容

3クラウドでAWS対抗

 競合するAmazon Web Services(AWS)も公共機関への展開を推進しているが、佐藤執行役員 常務は「当社はAzureだけでなく、Office 365とDynamics 365を含めた3クラウドで導入先のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進できる点が強み。SaaSやPaaSも使ってもらうことで、導入先は鮮度の高いデータを業務に使ってもらえるようになる」と自信を見せた。

 デジタル・ガバメント統括本部のトップを務める木村靖氏(業務執行役員 パブリックセクター事業本部)は「自治体などのDXを加速させる上では、単に製品を提案し、リフトアンドシフトで移行してもらうだけでは不十分。デジタル人材の育成などにも取り組み、導入先に寄り添った支援を行うことで、諸外国に追い付き、追い越したい」と意気込んだ。

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