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キヤノン、3Qは減収減益で見通し下方修正 デジカメ市場の縮小止まらず

» 2019年10月28日 20時39分 公開
[井上輝一ITmedia]

 キヤノンが10月28日に発表した2019年12月期第3四半期(19年7月〜9月)の連結決算は、売上高が8695億円(前年同期比6.2%減)、営業利益が384億円(同43.7%減)、純利益が265億円(同42.7%減)と減収減益だった。米国など海外経済の減速や為替相場の影響を受け、レンズ交換式デジタルカメラやオフィス向け複合機、インクジェットプリンタなどの販売台数が前年同期を下回ったという。同社は、年間見通しの下方修正も発表した。

キヤノン3Qのセグメント別の業績

 主力のオフィス事業(複合機・業務用プリンタ)では、売上高が4138億円(同3.9%減)、営業利益が403億円(同15.4%減)と比較的少ない減益率にとどめたが、イメージングシステム事業(カメラ・家庭用プリンタ)で営業利益が同56.8%減(101億円)、産業機器などの事業で75.1%減(26億円)と大幅に減少した。

 一方で、新規事業のメディカルシステムでは売上高1139億円(同5.9%増)、営業利益90億円(14.6%)と増収増益している。

 これらの状況を受け、2019年通期(12月まで)の見通しを下方修正した。前回の見通しでは、売上高3兆7450億円、営業利益2150億円を見込んでいたが、今回の見通しでは売上高3兆6250億円、営業利益1880億円に引き下げた。同社の通期見通し引き下げは、第1四半期から連続で今年3回目。

カメラ販売数、全体で減少 ミラーレスカメラは「堅調」

カメラ事業の業績 前回の見通しから下方修正

 同社がイメージングシステム事業で扱うカメラについては、「レンズ交換式デジタルカメラはミラーレスカメラの拡販に努めたが、エントリー市場の縮小の影響を受けて、全体の販売数は前年同期を下回った」(同社)という。同期のレンズ交換式デジタルカメラの販売台数は、前年同期比7%減の98万台。

 ミラーレスカメラについては「重点的にリソースを配分」した結果、「前年下期に投入したフルサイズの新製品や、普及機が堅調に数量を伸ばした」としている。

 第4四半期には、「拡販のための追加の販売投資を行う」という。

 また、同社フラグシップの一眼レフ機「EOS-1D X Mark III」を2020年初めに投入することを明らかにした。

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