レッドハットはこのほど、新たなパートナープログラム「OpenShift Managed Practice Program」を発表した。これは、国内のパートナー企業の一部が、「Red Hat OpenShift」(以下「OpenShift」)を用いたコンテナ環境を、各社のクラウドサービスからマネージドサービスとして提供できるようにする取り組みだ。ビジネス的な側面ではなく、技術面での支援が主となる。米Red Hatの方針の一環ではなく、日本法人が独自で展開する。
参加するパートナー企業は、伊藤忠テクノソリューションズ、NTTコムウェア、NTTデータ、NEC、日本アイ・ビー・エム、野村総合研究所、日立、富士通。OpenShiftのライセンスを販売し、導入支援を行うパートナー企業の中から、自社でマネージドサービスを提供できる企業をよりすぐった印象だ。
今回のプログラムに参加するパートナーに対し、レッドハットは自社の「Site Reliability Engineering」(=SRE、ITシステムの運用管理を担うエンジニア)チームのスキル、ノウハウをパートナー企業のSREと共有する。
具体的には、年に2回の技術ワークショップを行い、Red HatのSREのノウハウとスキルをパートナーのSREと共有する他、日常的に双方のSREがコミュニケーションを取れる場も用意する。また、パートナーのマネージドサービスの利用促進に向け、各社をサポートする情報の発信もレッドハットから行う。
米Red Hatは、米IBMに買収されて以降も、OpenShiftを核にした「オープン・ハイブリッドクラウド」戦略を曲げず、「IT業界を変革する」との目標を掲げている。ただ、OpenShiftを活用した業界の変革は自社だけで実現できるものではないため、強力なパートナーとのエコシステムが必要だと経営層は考えているようだ。
レッドハットの望月弘一社長は、同パートナープログラムの記者発表会で「OpenShiftの上で利用できるパートナーのソリューションを拡充し、多様化する顧客企業の要求に応えていく必要がある」と強調した。
Red Hatの戦略は、グローバルではある程度成功している。IBMによる買収前ではあるものの、米調査会社のIDCは、2017年のグローバルにおけるコンテナ・インフラストラクチャ・ソフトウェアのシェアで、Red Hatは30.1%で1位との調査結果を発表している。
ただ、日本ではまだまだ、本番システムの運用でコンテナ環境を活用する例は多くない。
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