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» 2019年12月19日 14時01分 公開

IBM、コバルトなどの重金属フリーで海水由来の新バッテリーを開発

IBM Researchが、コバルトなどの重金属を使わず、海水由来の成分で生成する新しいバッテリーを開発したと発表した。低コストで高速充電が可能な上、安定して寿命も長いので、電気自動車やスマートグリッドでの採用を見込む。

[佐藤由紀子,ITmedia]

 米IBMの研究部門IBM Researchは12月18日(現地時間)、海水から抽出する、コバルトフリーな新しいバッテリー素材を発見したと発表した。

 従来のバッテリー素材はニッケルやコバルトなどの重金属を含み、環境的、人道的リスクをもたらしている。特に、中央アフリカでのコバルト採掘は人道的問題があるとして批判されている。

 この新素材は、初期テストでは、コストや受電時間、エネルギー効率、低燃焼性などのカテゴリーでリチウムイオン電池の性能を上回るとIBMは説明する。

 この素材を採用するバッテリーは、コバルトやニッケルを含まないカソード素材と、高引火点を備えた液体電解質を組み合わせたもの。テストでは、高電力用バッテリーを80%充電するのに5分しかかからなかったという。

 ibm IBM Research Battery Labの示差電気化学質量分析(DEMS)システム。充電および放電サイクル中にバッテリーセルから発生したガスの量を測定する(画像:IBM)

 新バッテリーの主な特徴は以下の5点。

  • 重金属を含まないので低コスト
  • 高速充電(5分で80%)
  • 1万W/Lの高出力密度(リチウムイオン電池より上)
  • 800Wh/L以上の高エネルギー密度(最先端のリチウムイオン電池に匹敵)
  • 優れたエネルギー効率(90%以上)

 また、電池の寿命も長いので、電気自動車、スマートグリッドやエネルギーインフラでの採用を見込む。

 具体的な製品化の予定は不明だが、同社はMercedes BenzやバッテリーメーカーのSidusと共同で、次世代バッテリー開発エコシステムを立ち上げたことも発表した。

【訂正:2019年12月19日午後5時05分 箇条書きの「5分で8%」を80%に修正しました。】



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