トヨタの実験都市構想や、ソニーの電気自動車のコンセプトモデルが発表されて盛り上がりを見せている、米ラスベガスで開催中の「CES 2020」で、アンテナを刺したジャガイモを展示するブースが話題になっている。
開発したのはフランスのスタートアップ、POTATO。POTATOを立ち上げたニコラス・バルデックさんは、「スマートフォンやコーヒーマシンなどさまざまなものがインターネットにつながる中、誰かがジャガイモもつながるようにしなければならないと感じた」と語る。
バルデックさんは、ジャガイモと機械をつなげるポテト−マシンインタフェースとして「NEURASPUD」(SPUDはジャガイモの意味)を開発。NEURASPUDの電極は金と亜鉛で、これをジャガイモに刺すことでジャガイモから電力を得るという。ちなみに、食物に電極を刺して発電する仕組みは「レモン電池」を代表に知られている方法だ。
説明動画によれば、「NEURASPUDは、数TBのビッグデータで数週間トレーニングしたAIをボード上に搭載し、ジャガイモの“脳波”を解析する。ジャガイモの言語を解読し、Bluetoothでスマートフォンと接続する」という。
スマートフォンの専用コンパニオンアプリ(iOS/Android対応)から、「ヘイポテト、地球は平面だと思う?」などと聞くと、「多分違うよ」とジャガイモなりに考えた答えを返してくれるとしている。
他のスマートアシスタントと比べたときに有利な点も。「Siri」「Google Assistant」「Amazon Alexa」と比べて、ジャガイモは「生きているもの」「電解物」「感覚がある」「夢を見る(夢を持つ)」といった特徴があると、スペックの比較表で説明している。なお、ジャガイモもユーザーのプライバシーには配慮してくれないという。
「ジャガイモの“脳波”を解析」「ジャガイモには『感覚がある』『夢を見る』」──など、どこまで本気かは定かではないが、クラウドファンディングサイト「Indiegogo」の専用ページでは出資を受付中で、22ドルでNEURASPUDを得られる。目標調達額は3万ドル(約328万円)。ファンド形式はフレキシブルゴールで、目標を大幅に上回った際には天気予報やブロックチェーン、メッシュネットワークなどに対応するとしているが、目標に満たなかった場合に返金はない。
1月10日時点で集まった出資額は約9万6000円だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR