なぜ駅の改札がQRコードに対応するのか キーワードは「10年スパン」と「MaaS対応」(1/3 ページ)
2019年ににわかに盛り上がったキャッシュレス決済で注目されている「QRコード」。決済の次は、駅の自動改札機に導入される機運が高まってきている。関係各社の聞き取りから、なぜ各社がQRコード改札の検証を始めているのか、そして「QRコード改札は実現するのか」を考えたい。
各社がQR対応改札の実証実験スタート
QRコード対応の自動改札機は、日本では沖縄都市モノレール(ゆいレール)が14年から運用しているが、大手の鉄道事業者での導入は進んでいない。大都市圏の鉄道では、従来の磁気乗車券の他は「Suica」を始めとするFeliCa方式の交通系電子マネーのみ対応しているケースがほとんどだ。
一方でここ最近は、都市部の大手鉄道事業者でQRコード改札を試験的に導入する動きが目立ってきている。
日本最大の鉄道事業者であるJR東日本は、20年春に開業する山手線新駅「高輪ゲートウェイ駅」と新宿駅でQRコード対応の自動改札機の検証を行うと発表している。西では大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)が自動改札機でQRコードや顔認証を用いる実証実験を19年12月にスタートした。阪神電気鉄道(阪神電車)もQRコード改札の実証を3月に開始する予定だ。
自動改札機のメーカーも、QRコード対応機の開発を進めている。例えばOsaka Metroの実証実験では、主要メーカーの4社がそれぞれ1台ずつQRコード・顔認証対応の改札機を試作している。その1社の東芝インフラシステムズ(TISS)は、「クラウド接続型の自動改札機」のデモンストレーションを展示会で行っている。
なぜ今なのか
ここに来て自動改札機の技術革新が模索されている背景には、ちょっとした事情がある。ちょうどJRや首都圏の私鉄の自動改札機が、更新時期に当たっているのだ。
関西の大手私鉄の1社、阪神電車はQRコード改札の実証実験をする理由として「次世代の出改札システムの導入に向けた検討の一環」と答えている。
日本で現在広く普及している、高速で磁気式の切符を読み取る自動改札機システムは、1966年に立石電機(現オムロン)が開発したもので、当初から大都市のラッシュ時に大量の乗客をさばけるように設計されている。
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