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EU、AI規制に関するホワイトペーパーを含むデジタル戦略を発表

» 2020年02月20日 09時44分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は2月19日(現地時間)、個人データとAI(人工知能)に関する戦略を発表した。向こう5年間のEUのデジタル戦略の道筋を示すもの。米国の大手IT企業を含む世界中の企業はEU圏内で、この戦略の下に将来発効する新規制に従う必要がある。

 欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は発表文で「われわれは欧州のデジタルにおける未来を形成する野心を示した。この戦略はサイバーセキュリティ、重要なインフラストラクチャ、デジタル教育、民主主義、メディアなど、すべてをカバーするものだ。欧州でのデジタルは、オープン、公平、多様、民主で自信に満ちている欧州の長所を反映していく」と語った。また、記者会見では「AIは人々に奉仕するべきであり、常に人々の権利を順守しなければならない」と語った。

 ursula 新戦略を発表する欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長

 Europe Ready for the Digital Ageの責任者で欧州委員会のコミッショナーのマルグレッタ・ヴェスタヤー氏は「EUのすべての市民、企業にデジタル化のメリットを享受する機会を平等に与えたい」と語った。

 argrethe Europe Ready for the Digital Ageのマルグレッタ・ヴェスタヤー氏

 欧州のデータ戦略の目的は、欧州データ領域の形成。圏内のすべての企業、研究者、行政機関が収集したデータに、すべての人や組織がアクセスできるようにする。そのための新たなルールを策定していく。また、戦略の一環としてデータプラットフォームとAIアプリケーション構築のために約25億ユーロ(約3000億円)を投資することも提案した。

 この戦略の一環として公開されたAIに関するホワイトペーパーは、5月19日まで閲覧し、フィードバックを送ることができる。

 今後のステップは、年内にすべての企業がEU市場にアクセスするための明確なルールを確立し、オンラインプラットフォームの責任を強化し、基本的権利を保護するためのデジタルサービス法などの追加措置を提示する計画だ。


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