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巨大巻き笛モジュールで部屋を拡張 コロラド大など「LiftTiles」開発Innovative Tech

» 2020年02月26日 06時00分 公開
[山下裕毅ITmedia]

Innovative Tech:

このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。

 コロラド大学ボルダー校、慶應義塾大学、東京大学による研究チームが開発する「LiftTiles」は、ルームスケールで形状変更が可能なシステムだ。

photo LiftTilesで床、椅子、机を構築できる

 システムはモジュール式になっており、各モジュールを組み合わせて使用する。各モジュールは、アクチュエータと柔軟なプラスチックチューブ、バネが備わっており、空気圧で作動および制御し、高さを15cmから150cmまで変更できる。巻き笛のように、丸めて伸ばして伸縮させる仕組みだ。

photo LiftTilesのモジュールは15cmから150cmの範囲で伸縮する

 このシステムにタイルを用いたプロトタイプでは、モジュールを複数連結させて床や壁などを作成できる。各モジュールは、約1.8kgと軽量でありながら、10kgの負荷に耐える堅牢性を兼ね備えている。各モジュールのコストは約8ドル。各モジュールを電磁弁などで伸縮を同時に制御し好みの形状に変更できる。

photo モジュールを連結させて好みの形状を作成できる

 LiftTilesの活用例を4つ紹介する。

  • 5×5のグリッドに25個のモジュールを配置して形状が変化する床。椅子、テーブル、ベッドを提供する。
  • VRコンテンツの触覚フィードバックとして、VRオブジェクトを再現する。
  • 壁やナビゲーションに活用。パーテーションとして、または大きな矢印で誘導、アルファベット看板など。
  • フェスティバル、展示会、コンサート、災害救助などでの一時的な利用。
photo LiftTilesを活用したユースケース

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