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» 2020年03月06日 20時51分 公開

村上世彰氏が特別顧問の「N高投資部」、初年度の活動終了 部員がもらった20万円は増えたのか……?

N高が、株式投資を体験できる部活動「N高投資部」を運営した成果を発表。この部活では、部員が村上氏が創設した財団から20万〜50万円を支給され、株式投資を実際に体験できる。多くの部員が投資に必要な考え方を学べたという。

[濱口翔太郎,ITmedia]

 角川ドワンゴ学園が運営する通信制高校「N高等学校」(N高)は3月6日、株式投資を体験できる部活動「N高投資部」を2019年7月〜20年2月に運営した成果を発表した。企業動向の読み解き方や資金運用術を伝える狙いがあり、旧「村上ファンド」代表の村上世彰氏が特別顧問を担当した。部員は村上氏が創設した財団から20万〜50万円を支給され、同氏のアドバイスを受けつつ、東京証券取引所の上場銘柄を売買。投資に必要な考え方を学べたという。

photo ドワンゴの夏野剛社長(=左)、投資家の村上世彰氏(=右)

 1期生の部員50人のうち、収支がプラスだったのは15人ほど。特に優秀だった生徒は、当初はZホールディングス、楽天、日本通信などの株式を購入・売却していたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、医療関係の銘柄に集中的に投資。訪日外国人を日本の医療機関に通訳付きでアテンドする事業を手掛けるメディア工房、輸液バッグのフィルムを開発するMICS科学、注射器や輸液ポンプを開発する大研医器などの銘柄を取引し、元手の20万円を約26万円(利益率約30%)に増やした。

 一方、フィルムメーカーの「恵和」の株価が下がった影響などで、元手の50万円が約33万円に減った生徒(利益率約−34%)や、経営再建中のジャパンディスプレイの株を大量購入する“賭け”に出て失敗した生徒(50万円→約38万円、利益率約−24%)など、大きく元本を割り込んでしまう部員もいた。

 損失を出した部員は自身で補填する必要はなく、残っている元本を財団に寄付するだけでよい。利益が出た部員は元本のみ財団に寄付し、差額を受け取れる。

photo 成績優秀者が購入していたMICS科学の株価チャート。新型コロナウイルスの感染拡大に伴って大きく値動きしている(=「Yahoo!ファイナンス」より)

 成功した人、失敗した人――。投資の成果はさまざまだったが、多くの部員が、半年間の学びをまとめたレポートに「毎朝メディアの報道を見る習慣がついた」「報道を見て、これから株価が上がりそうな業界を予測するくせがついた」などと、ポジティブな感想を記したという。

 「銘柄を買った当日に最悪な決算が発表された」「順調に伸びていたのに、機関投資家が一気に売却したせいで株価が下がった」など、苦い経験をつづっている生徒もいた。

 村上氏は1年間の活動を振り返り、「投資を通じて、お金に対して恐怖心を持ってもらうことと、お金とは何かを考えてもらうことが大事だった。10年後やもっと先に大きなお金を動かす時があれば、この1年間のことを思い返してほしい」と語った。

 角川ドワンゴ学園の理事を務めるドワンゴの夏野剛社長も「『みんなが買っているから』といった理由ではなく、自分の判断で投資先を決める体験を子どもの時にしておくことは大切だ」と生徒に語りかけた。

 初年度の結果を踏まえ、20年度も新たに50人の部員を募集し、部活動を継続する。

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