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香川県、パブコメ詳細を採決前日に公開 ネット・ゲーム規制条例案(3/3 ページ)

» 2020年03月17日 14時00分 公開
[谷井将人ITmedia]
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情報公開体制にも疑問

 条例案の議論においては、その透明性も問題視されている。検討会に参加した秋山県議によると、検討会に参加した議員にも当日までパブリックコメントの結果を載せた資料が渡されなかったという。議員は直前に80ページの資料を受け取り、午後1時の検討会に出席した。討論の時間は約30分間だった。

 資料共有が直前になった理由についても、県議会は「寄せられた意見が多く、整理に時間がかかったため」と説明している。

 検討会は、前半のパブリックコメント結果発表のみメディアに公開し、結果を受けた討論は非公開で行われた。県議会は、非公開にした理由について、参加議員から「静かな環境で議論したい」との声があったためとしている。討論の議事録は「残す規定になっていないため」(県議会)残っていない。

 検討会に参加した秋山県議や、表現規制問題などを扱う市民団体「コンテンツ文化研究会」は、議論の透明性確保や、十分な検討のため、パブリックコメントの全文開示を求めているが、県議会側は16日の時点でこれを受け入れていない。「(公開するかどうかは)検討中。今後適切に対応する」(県議会)。

 ネット・ゲーム依存症対策条例案は18日にも香川県の定例議会に提出される。通過すれば全国初のネット・ゲーム依存症に対応した条例となる。議会で十分な議論がなされるかに注目が集まる。

【編集履歴:2020年3月17日午後3時15分 事実に基づき、本文を一部変更しました】



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