神奈川県庁が使っていたファイルサーバのHDDが転売され、個人情報を含むデータが流出した問題を巡り、容疑者が勤めていた情報機器リユース業者ブロードリンク(東京都中央区)は3月26日、記憶媒体のデータを消去する過程のライブ配信や映像記録を行う新サービスなどの再発防止策を発表した。
3月下旬から、顧客企業の敷地内でデータ消去作業を行う「オンサイト消去」、データ消去の過程を映像に記録して提出する「データ消去作業の映像記録」、データ消去の過程を顧客企業にリアルタイム配信する「データ消去ライブ配信」、HDDやPCなど顧客企業から回収したデバイスを保管するカーゴの解錠ログを保存する「電子錠によるカーゴの解錠管理」などの提供を順次始める。
さらに社内の監視カメラを計64台に倍増させた他、空港などで使われるセキュリティゲートの設置、警備員による身体検査の導入、コンプライアンス研修教育の強化を行ったという。
4月には元警視総監の井上幸彦氏を社外取締役に迎えるなど、新たな事業展開に向けた準備も進めているという。ブロードリンクは3月6日、カプコンの辻本憲三代表取締役会長から資金調達を行い、現在の資本金を5億8358万円としている。
ブロードリンク元従業員の高橋雄一容疑者は2019年12月、神奈川県庁が使っていたファイルサーバのHDDをはじめ、同社が破棄を請け負っていたスマートフォンやタブレットなどの情報機器を着服し、ネットオークションなどで7844台を転売していた。
同社は2020年1月10日に営業を再開したが、全従業員の1割に当たる約30人を解雇した他、東京と大阪を除く5カ所の事業所を閉鎖するなど、事業規模を縮小している。
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