LINEは3月26日、フードデリバリー事業を手掛ける出前館と資本・業務提携を結んだと発表した。LINEと、LINEが親会社の韓国NAVERと共同出資するファンドの双方から150億円ずつ出資する。出資後は、合計で約61%(LINEが35.9%、ファンドが25.1%)の株式を保有し、フードデリバリーサービスのブランドを統合するなど、共同で事業を推進する。
出資は5月中旬までに完了する予定。以降はLINEと出前館のフードデリバリーサービス「LINEデリマ」「出前館」のブランドを統合する他、LINEから出前館にエンジニアを派遣して技術力を強化する。将来は「LINE ID」「出前館ID」を統合し、コミュニケーションアプリ「LINE」の顧客基盤を生かしたマーケティングなども行う予定。
LINEの技術力と出前館の加盟店への営業力を生かし、店舗でのテークアウト・イートインの予約や、スマホでの事前注文などに対応する計画もあるという。
経営体制も刷新し、現LINE執行役員兼O2OカンパニーCEOの藤井英雄氏が出前館の新社長となり、現社長の中村利江氏は代表取締役会長に就任する。LINE O2Oカンパニーと決済子会社LINE PayでCMOを兼任する藤原彰二氏も、新たに取締役に就く。
出前館は夢の街創造委員会として1999年に創業し、フードデリバリーサービスを展開。現在は2万1450店舗の加盟店を持ち、年間オーダー数は3000万件超に上る。LINEは同社と2016年に業務提携し、約20%の株式を取得。17年に始めたLINEデリマで、夢の街からデータベースの提供を受けるなど協業してきた。
LINEは、追加出資に至った背景について「包装容器を用意するだけで、すぐにデリバリーを開始できる新興モデルが急激に拡大したこと」を挙げている。フードデリバリーサービス市場では、米Uber Technologiesが手掛ける「Uber Eats」が日本国内で普及しているため、出前館との関係性を強化して対抗する狙いがあるとみられる。
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