新型コロナウイルス感染症と5Gの関連性を主張する陰謀論が一部で拡散しており、英国で複数の携帯電話基地局アンテナが放火されていると、英公共メディアのBBCが4月4日(現地時間)に報じた。
BBCは少なくとも4つの基地局で3日に火災が発生したとしている。
米Facebookも英国でのファクトチェックを依頼している事実確認のための慈善団体Full Factは3月13日の時点で、「新型コロナウイルスは実は5G拡大の影響」という主張が根拠がないと結論付けている。
Full Factは3月10日にFacebookに投稿された、こうした主張をする投稿(現在は削除されている)が何千回も共有されているが、これは誤りだと説明している。
この投稿には「人を殺しているのは5Gタワーだ。世界中でマスクが不足しているので、タワーの放射線が脳を焼くのを防げない」とか「ビル・ゲイツが開発している新型コロナのワクチンは、実は人々の思考を監視するためのマイクロチップを移植するためのものだ」などと書かれていた。
これを投稿したベン・マッキー氏のFacebookアカウントは現在も削除されてはおらず、3月30日には「通信企業の従業員が5Gの危険性を警告するために基地局アンテナを破壊している」という動画(実際には古くなったアンテナを撤去している動画)を投稿している。
移動体通信(携帯電話)に関する世界規模の業界団体「GSM Assosication(GSMA)」は5日、基地局アンテナへの放火行為は新型コロナのパンデミックという危機状況に通信ネットワークを弱体化させる暴力行為だと非難した。「5G通信を新型コロナウイルスの拡散に結びつけるフェイクニュースや暴力行為と戦う」とし、プラットフォーマー大手にフェイクニュース削除を強化するよう求めたと語った。
英Guardianは5日、米Google傘下のYouTubeが、新型コロナウイルスと5Gを関連付ける陰謀論的な動画を積極的に削除すると語ったと報じた。
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