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» 2020年05月28日 13時37分 公開

IBMの量子コンピュータハッカソンに1700人が参加 “量子プログラマー”の育成進む

米IBMは、5月4日から8日にかけて行った量子コンピュータのハッカソン「IBM Quantum Challenge」の結果を発表した。世界中から1745人が参加し、量子暗号や、量子回路の最適化方法など、量子計算のノウハウを学習したという。

[井上輝一,ITmedia]

 米IBMはこのほど、5月4日から8日にかけて行った量子コンピュータのハッカソン「IBM Quantum Challenge」の結果を発表した。世界中から1745人が参加し、量子暗号や、量子回路の最適化方法など、量子計算のノウハウを学習したという。

IBMの量子コンピュータ「IBM Q System One」

 参加者の職種は、技術者やソフトウェアエンジニア、データサイエンティスト、物理学者、数学者といった専門家の他にも、学生や教師、弁護士、コンサルタントなど幅広い。参加者たちは、IBMクラウド上の18基の量子コンピュータを使ってIBMから提示された4つの課題を解いた。4つとも正しく解けたのは全体の約3割(574人)だったという。

 IBMは、この4日間で多くの人が量子コンピュータ向けの実践的なコーディングを学んだとしてハッカソンの意義を示す。また、参加者たちが1日当たりに使った量子コンピュータの総使用量は10億回路を超え、同社の量子コンピューティングクラウドにおける記録を塗り替えたとしている。

 量子コンピュータにおける「回路」は動作の基本単位。マシンの量子ビット数などで、構成できる回路の複雑さが決まる。1回路の量子計算は非常に短い時間で終わるが、量子計算の結果は確率的であり、計算過程にエラーも伴うため、同じ回路構成で何度も計算して精度を上げるのが一般的。

量子回路の1例。q0などの横線が1つの量子ビットを示している。楽譜のように、左から右へ操作が進む

 同社は2020年後半に日本とドイツにも量子コンピュータを設置するとしており、量子コンピュータの計算リソースをさらに拡張していく計画だ。

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