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接客中にパンツ脱ぐ客も……ハプニングもあるが人気の「Zoomキャバクラ」 店主と嬢の波乱の自粛期間(4/4 ページ)

» 2020年05月29日 17時20分 公開
[濱口翔太郎ITmedia]
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GWは300万円の売り上げ

 この戦略が奏功し、特に利用者が多かったゴールデンウイーク中は、4月28日〜5月9日の11営業日で計300万円ほどの売上があった。現在の客入りはピーク時から落ち込んでいるものの、十分に利益が出る水準だという。

 比較的高い料金を設けることで客のレベルを保つ効果もあり、Mayuさんや楓さんが挙げたような手癖の悪い客は2〜3人で、ほぼ全ての客はまともな人だという。Aさんが客からの申し込みを受ける際にLINEアカウントを聞くのは、“捨てアカ”を作りにくく、メールなどより利用のハードルが高いからだ。客が不審な行動を取った場合は、店員がWeb会議からすぐに退出することを認めるなど、困った客への対策を進めている。

 ズムキャバやラグジュアリーのキャバ嬢は実店舗とは異なり、アフター(同伴外出)に行かなくてよく、わいせつな行為をされた時点で通話を切れば縁も切れる。体も指一本触れられない。バーチャル背景を使えば家もバレない。これらの安全性もリモートならではだ。

photo ズムキャバラグジュアリーの公式サイト

平和な世界になってほしい

 5月半ばに入ると新型コロナの感染者数が落ち着き始め、政府が緊急事態宣言を解除した。地域によっては営業を再開するキャバクラも出始めており、ズムキャバやラグジュアリーを辞めて実店舗に戻る女性店員も出てきそうだ。だが、Aさんはこれからも両店舗を閉店せず、副業として続ける考えだ。

 「緊急事態宣言中の勢いがずっと続くとは思っていませんが、リピーターもついています。海外や日本全国のお客さんを獲得できるのはオンラインならではですし、今後もビジネスとして残ると考えています。家賃などのランニングコストもかからず、利益が出やすいのもこのビジネスの魅力です」(Aさん)

 とはいえ、もし客数がさらに落ち込んだとしても、Aさんは世の中が元に戻るのであれば気にしないという。「いずれは新型コロナが落ち着き、『ズムキャバなんてアホなことやっている人もいたな』と言われるような、そんな平和な世界になってほしいです」とAさんは願っている。

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