「若い男性客とZoomで話していたら、突然ズボンとパンツを脱いで、そのあと1人で……。怖いというより思わず笑っちゃいました。速攻で退出して、運営に“出禁”にしてもらいました」――Web会議ツール「Zoom」を使ってリモート接客するキャバクラ「ズムキャバ」で働くMayu(まゆ)さんは笑ってこう話す。
ズムキャバは健全なキャバクラであり、性的なサービスの提供は一切行っていない。経営者によると、冒頭で紹介したように問題のある客は全体の0.1%未満。不審な行動を取った客はすぐに利用停止処分にするなどの対応を徹底している。
ズムキャバは、客が女性とPC画面越しに向き合ってトークを楽しめる“リモートキャバクラ”サービスだ。4月中旬のスタート以来、新型コロナウイルスの影響で外出できず話し相手がほしい人などの人気を得て、多い時は1日に約50人が利用しているという。
ズムキャバと、系列店の「ズムキャバラグジュアリー」には、5月末現在で合計約100人のリモートキャバ嬢が所属。オンラインならではのハプニングもまれに起きるが、彼女たちは画面越しの客を日々もてなしながら生活費を稼ぎ、実店舗で働けない中で新型コロナ禍を乗り切っている。
一般的なキャバクラと異なり、ズムキャバは前払い制だ。利用するにはWebサイトからズムキャバ公式LINEアカウントを友だち登録し、話したい女性と希望時間を連絡。担当の女性が決まり、料金を事前に支払うと、LINEにZoomミーティングのURLが届く。あとは時間通りにアクセスすれば、指名した女の子が画面越しにドレス姿で待っている。
女の子は実店舗をイメージした壁紙をバーチャル背景に使っていて、お店で接客を受けている気分を味わえる。盛り上がってきたら、クリック1つで女の子にシャンパンをおごれる機能も。スタッフがあらかじめ女性の自宅にシャンパンボトルを送ってあり、客がお金を支払った場合に開栓できるようになっている。
実際にドレス姿の女の子と話してみると、画面越しとはいえ気分が上がる。中には盛り上がりすぎてしまう客もいるようだ。「触れないなりに工夫してくるお客さんもいます。画面越しに『肩ひも下ろして』『ブラジャー取って』と言ってきたり……。キャバクラあるあるなので流していますが」とラグジュアリーで働く楓(かえで)さんは涼しい顔で話す。
1時間当たりの料金は、ズムキャバが4000円、ラグジュアリーが6000円。指名料はともに2000円、シャンパン代はともに6000円(価格は全て税込)だ。
指名を受けた場合、女性の時給は4000円(ズムキャバ)または6000円(ラグジュアリー)。シャンパンが追加されると3000円のインセンティブが入り、中には1時間で1万円以上を稼ぐ人もいるという。
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