家計簿アプリなどを手掛けるマネーフォワードは7月9日、7日に実施したWebブラウザ版「マネーフォワード ME」のリニューアルを取りやめ、旧バージョンに戻した。ユーザーからリニューアルに対する批判が相次ぎ、関係者で議論した結果だという。大手のWebサービスがわずか2日で前のバージョンにロールバックする対応は異例だ。
マネーフォワード MEは個人向けの資産・家計管理ツール。クレジットカードや銀行口座などの情報を登録すると、残高や支出の情報を自動で取り込めるのが特徴。アプリ版(iOS/Android)とWebブラウザ版を提供している。利用料は無料。
7日のリニューアルでは、Webブラウザ版の大幅なデザイン変更や一部機能の削除を実施した。旧デザインは画面上に情報を多く並べて一覧性を高めていたが、新デザインでは余白を多用した見た目に変更。Webブラウザ版の見た目と使い勝手をスマートフォン向けのアプリ版にそろえるのが狙いだった。
マネーフォワードは、一部のユーザーに先行して提供したβ版を踏まえてからリニューアルに至ったとしているが、正式公開後に「このリニューアルは改悪だ」とする内容のフィードバックをメールやTwitterで多数受け取ったという。
記者がSNSやブログでリニューアルに言及している投稿を調べたところ、新デザインを好意的に評価する声がある一方で、「一度に表示できる情報量が大幅に減り、画面をスクロールする量が増えた」「使っていた機能が削除された」といった意見が実際にあった。
同社の辻庸介社長はコンテンツ配信サービス「note」で公開した記事の中で、Web版の利用者には創業時からサービスを応援してくれているコアユーザーが多数いるとした上で「いただいたご意見を真摯に受け止め、昨日、今日にかけて、関係者で集まり議論し、いったんリニューアル前の旧バージョンに戻すことを決断いたしました」と表明。自身もコアユーザーでありながら考慮不足が多々あったとして、今後もより便利で使いやすいサービスづくりを実施していきたいとコメントしている。
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