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“マツコ”も紹介した「自作キーボード」 はんだ付け不要な初心者向けキットはどれ?(1/2 ページ)

» 2020年07月22日 07時00分 公開
[井上輝一ITmedia]

 TBSテレビの番組「マツコの知らない世界」の7月21日放送回でPC向けキーボードが紹介され、ITmedia NEWSの連載「ハロー、自作キーボードワールド」を執筆するびあっこさんとぺかそさんがゲスト出演した。

 番組では、「Majestouch」「HHKB」「REALFORCE」といった代表的な高級キーボードの他、びあっこさんが開発した「Ergo42」やぺかそさんが開発した「Fortitude60」などの自作キーボードを紹介。2人がマツコさんを奥深いキーボードの世界にいざなった。

Ergo42Fortitude60 番組にゲスト出演した2人がそれぞれ開発した自作キーボード「Ergo42」(左)と「Fortitude60」(右)

 本記事では、テレビの放送などをきっかけに自作キーボードに興味を持った人に向けて、初心者でも比較的簡単に組み立てられる自作キーボードキットを紹介する。キットのチョイスには自作キーボード専門店「遊舎工房」(東京都千代田区)代表の倉内誠さんに協力いただいた。

 なお、いずれの自作キーボードキットもキースイッチキーキャップは別売。これらも自分好みのものを選ぶのが“自作”の醍醐味の一つだ。日本国内での入手性を考え、遊舎工房で取り扱っているものからピックアップした。いずれも対応キースイッチは独Cherryの「Cherry MX」シリーズや、中国Kaihua Electronics(Kailh)や中国Gateronなどが製造するCherry MX互換軸。

はんだ付けはほぼ不要 キー配列はHHKB風な「7sPro」

左右分離型のキーボード「7sPro」 「HHKB」風の配列のため、既存キーボードからの移行しても慣れやすい

 倉内さんがまず挙げたのは、サリチル酸(@Salicylic_acid3)さんが開発した「7sPro」だ。価格は1万5000円(税別、以下同様)。

 PFUの高級キーボード、HHKB風の配列を採用した、左右分離型のキーボード。自作キーボードキットの多くは別売のキースイッチをはんだ付けする必要があるが、7sProはキースイッチを抜き差しできるソケットが基板に実装されているため、キースイッチのはんだ付けは必要ない。後からキースイッチを替えて楽しめる。

 各キースイッチの接続に必要となるダイオードも実装済み。マイコンボード「ProMicro」などいくつかの部品ははんだ付けが必要になるが、キースイッチとダイオードのはんだ付けがないため、組み立ての手間を大幅に短縮できる。

はんだ付け完全不要 ビット・トレード・ワン版「Corne Cherry」

「Corne Cherry」オリジナル版(上)とビット・トレード・ワン版の基板(下)

 はんだ付けが全く必要なく、各部品をネジなどで組み立てるだけで完成するキットが、ビット・トレード・ワン(神奈川県相模原市)が7月17日に発売した「Corne Cherry」だ。価格は1万5800円。

 Corne Cherryはfoostan(@foostan)さんが開発した小型な左右分離型キーボード。組み立て工程がメジャーなキーボードとして、「ハロー、自作キーボードワールド」でも詳しく取り上げたキットだ。

 ビット・トレード・ワン版はオリジナルと異なり、動作に必要となる部品が全てはんだ付けされているため、本キットとキースイッチ、キーキャップを買って組み立てればキーボードが完成する。

マイコンボードとキーボード基板の接続にはスプリングピンヘッダを採用しているため、交換も容易

 ただし、バックライト用のLEDは実装されておらず別売のため、キーボードを光らせたい場合は別に入手し、自分ではんだ付けする必要がある。LEDのはんだ付けははんだごての温度調節に気を付けないとLEDを破損する恐れがあるため、はんだ付けに慣れてからチャレンジすることをおすすめする。

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