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ラズパイを無線LANルーター化する 〜アクセスポイント編〜名刺サイズの超小型PC「ラズパイ」で遊ぶ(第24回)(2/2 ページ)

» 2020年08月14日 07時00分 公開
[岩泉茂ITmedia]
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dnsmasqのインストールと設定

 最後に「dnsmasq」をインストールします。dnsmasqは小規模ネットワークで利用するDNSサーバ機能を持つアプリです。以下のコマンドを入力してインストールしましょう。

$ sudo apt install dnsmasq

 インストールしたあとは設定ファイルをいじるので、サービスをいったん止めておきます。

$ sudo systemctl stop dnsmasq

 では設定ファイルを編集しますが、あまりにも長いファイルなので、設定ファイルのファイル名を変更して、新たに記述して作成します。まずはファイル名を変更しましょう。

$ sudo mv /etc/dnsmasq.conf /etc/dnsmasq.conf.def
$ sudo nano /etc/dnsmasq.conf

 nanoが起動したら以下の内容を記述します。ここでは192.168.2.2から192.168.2.255までのIPアドレスが振り分けられるようにしています。

interface=wlan0
dhcp-range=192.168.2.2,192.168.2.100,255.255.255.0,24h

 接続されたデバイスがインターネットに接続できるよう、「IPマスカレード」を設定します。以下のコマンドを入力します。

$ sudo iptables -t nat -A POSTROUTING -o eth0 -j MASQUERADE
$ sudo sh -c "iptables-save > /etc/iptables.ipv4.nat"

 この項目は以下のような意味となっています。

-t nat:natテーブルを使用する

-A POSTROUTING:POSTROUTINGチェインを使用し、内部ネットワークから外部ネットワークへ出ていくパケットのソースIPを書き換える

-o eth0:パケットが出ていくインタフェースを指定する(ここでは「eth0」)

-j MASQUERADE:IPマスカレードを行う

 そしてこの2行目で設定を保存しています。

 最後に、上記のコマンドがラズパイが起動する際に実行されるように「rc.logal」のファイルを編集します。以下のコマンドでnanoを起動します。

$ sudo nano /etc/rc.local

 「exit 0」とある行の前に、以下の内容を追記します。

iptables-restore < /etc/iptables.ipv4.nat

 長かった設定も以上で終了です。ラズパイを再起動しましょう。

$ sudo reboot

 再起動すると設定したSSIDでアクセスポイントが見つかります。

ラズパイ 設定したSSID「raspi」が見えている
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