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NVIDIA、AIで新型コロナ患者を“トリアージ” 初診データから酸素供給の必要性を推定

» 2020年10月06日 16時50分 公開
[井上輝一ITmedia]

 米NVIDIAと米国の病院の研究チームは10月5日(米国時間)、新型コロナウイルス感染症患者が、初診の数時間後から数日後に酸素吸入を必要とするか判断するAIを開発したと発表した。

胸部診断画像と各種のバイタルデータから、数時間後〜数日後に酸素を必要とするレベルを判定するAI

 「CORISK」と名付けられたこのAIは、米マサチューセッツ総合ブリガム病院の研究者が初めに開発したもの。初診時のX線による胸部診断画像と心拍数・呼吸・血圧などの記録データを組み合わせることで、治療の優先度を決める「トリアージ」のように、その患者が酸素を必要とするレベルを判定できるという。「患者への適切な処置を医師が決める際の手助けになるもの」(NVIDIA)としている。

 AIの信頼性を高めるため、NVIDIAと同病院は世界中の病院に呼び掛け、20の病院がAIモデル開発に参加。モデルの精度は0.94(最大で1)に達し、優れた予測が可能になったとしている。

世界中の20の病院がデータセットをNVIDIAのクラウドに上げてモデルの精度を向上させた

 同AIの開発には、NVIDIAの医療診断向けAI開発プラットフォーム「NVIDIA Clara」を利用。開発に参加した各病院が患者から得られたデータセットをClaraにアップロードし、クラウド上でモデルを訓練することで精度を改善できたという。

 NVIDIAは、学習済みのモデルを数週間後にNVIDIA Claraに公開するとしている。

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