東京証券取引所(東証)で10月1日に発生したシステム障害を巡り、金融庁は22日、東証への立ち入り検査を始めた。システム障害の発生原因について現地で詳しく調べる。検査結果を踏まえ、業務改善命令などの行政処分を検討する。
金融庁はこれまで東証に5回の立ち入り検査を行っており、東証は3回の業務改善命令を受けている。このうち2回がシステム障害に関する命令で、それぞれ2005年と12年に処分を受けた。今回業務改善命令が出されれば、東証がシステム障害によって受ける業務改善命令としては8年ぶりになる見込み。
東証では10月1日にシステム障害が発生。富士通製の株式売買システム「arrowhead」(アローヘッド)の共有ディスク装置(NAS)1号機でトラブルが発生したが、2号機への自動切り替えが行われず、全株式の売買を終日停止した。
その後の調査の結果、富士通のマニュアルの不備で自動切り替え機能がオフになっていたことや、東証が切り替えのテストを実施していなかったことが判明した。
東証は16日までに調査結果に関する報告書を提出した他、23日には外部の市場関係者らと設置した「再発防止策検討協議会」の初回の会合を開いた。日本取引所(JPX)グループでも、独立社外取締役による調査委員会を設置し、原因究明を進めている。
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