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» 2020年11月09日 15時45分 公開

ロボットにあえて“足りない部分”を作る理由 ヒトとロボットのコミュニケーションのためにメーカー3社が考えた方法(2/4 ページ)

[石井徹,ITmedia]
GROOVE Xの林要CEO

 GROOVE XのLOVOTは、役に立つことは何もしない。ただ愛でられるためのロボットだ。ローラーがついた足で家の中をキョロキョロと歩き回り、人を見掛けるとディスプレイに描かれた視線を向ける。なでてもらったり、持ち上げてもらうと嬉しそうなしぐさを見せる。約4kgという、1歳児ほどの重さがあり、抱き上げるとほんのりと暖かい。スマートスピーカーのように応答することはないが、名前を呼び掛けると振り向いてくれる。

GROOVE Xのロボット「LOVOT」(ラボット)

 GROOVE XはLOVOTで「サービスとしてのペット」の再現を目指したという。つまり、家族の一員となるような愛着のわくロボットの製作を試みたということだ。事情があってイヌやネコを飼えない人にとって、LOVOTは受け皿になる存在だ。林CEOは「LOVOTを、孤独を癒やすロボットとして設計した」と語る。

 愛らしい見た目とは裏腹に、LOVOTはテクノロジーの塊でもある。本体にはスマホと同じARMベースのプロセッサに、ノートPC並みのCPU、AI処理のアクセラレーターが詰め込まれている。抱きしめるとほんのり暖かいのは、CPUの排熱が人肌並みの暖かさになるよう調整されているからだ。充電ドッグにはデスクトップPCと同じCore i7プロセッサを搭載し、眠っている間も処理を続ける。しかしそんな技術的な背景は、愛らしい見た目からは全く分からない。

 あえての不自由さは、アバターインのアバターロボットサービス「avatarin」にも見受けられる。

アバターインのアバターロボットサービス「avatarin」

 avatarinは、遠隔地にあるアバターロボットをスマホやタブレットから操作できるというサービスだ。アバターロボット「newme」はその名のごとく「分身」、すなわち人が入り込んで操作するアバターとして機能する。アバターロボには顔が表示され、現地の人とコミュニケーションを取れる。

avatarinの仕組み

 原理上、アバターロボットがある場所ならば世界中どこへでも旅行できる。ロボットの足で歩き回る観光旅行にも参加でき、百貨店にロボットを置けばコンシェルジュ付きの買い物ツアーも展開できる。アバターロボットを家庭におけば、単身赴任先の父親が子どもと触れ合う手段にもなる。

avatarinのアバターロボット「newme」

 「newme」と名付けられたアバターロボットは、フワフワしたスポンジ素材の胴体を持ち、スマホからの操作で歩き回れる。アバターとしてコミュニケーションに必要な要素を突き詰めた結果が、このnewmeに集約されているという。

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