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髪の毛1本サイズの極細ワイヤー型タッチセンサー「ThreadSense」 ダートマス大学が開発Innovative Tech

» 2020年11月27日 07時37分 公開
[山下裕毅ITmedia]

Innovative Tech:

このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。

 米ダートマス大学、台湾大学、中国科学技術大学による研究チームが開発した「ThreadSense」は、髪の毛サイズ(0.4mm以下)の細い糸型タッチセンサーだ。

photo (a) 太さ0.4mm以下の細いタッチセンサー (b)センサーを髪の毛に編み込んだ様子(c)センサーを布地に刺繍した様子(d)しおり用ワイヤークラフトにセンサーを組み込んだ様子

 このセンサーは、均一に分布した導電性材料で作られている。タッチした際に糸に伝わるインピーダンス(電圧と電流の比)の変化から、タッチした位置を推定する。

 入力は1本の指で行うシングルタッチ、スワイプによるジェスチャー入力、2本の指を同時にタッチする入力を検出できる。

photo ThreadSenseのプロトタイプ

 10人の参加者による対照実験で、1本と2本の指のタッチ位置を区別して位置を特定するためのトラッキング精度をテストした。結果、両方とも99%の精度で区別することができ、平均誤差距離8.55mmで同時タッチを認識した。

 研究チームは機能を実証するための応用例を幾つか作成している。センサーを毛に編み込み、髪に触れたり撫でたりしてスマートフォンを操作したり、センサーを縫い込んだクッションをタッチしてテレビを操作したりできるという。本のしおり用ワイヤークラフトに組み込めば、スワイプして照明の明るさを調整することも可能だ。これらのように、布製品などにセンサーを組み込むことで、日常のさりげない動作を家電などの制御に応用可能だとしている。

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photo ThreadSenseを用いたデモアプリケーション

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