米Dockerはこのほど、コンテナ仮想化ソフトウェア「Docker Desktop」のプレビュー版の提供を始めた。Mac版ではApple Silicon向けバイナリを用意し、Windows版ではWSL 2(Windows Subsystem for Linux)でGPUを利用可能にする機能を加えた。
Apple Silicon向けのmacOS Big Surは、Intel Mac向けバイナリをApple Siliconのバイナリに変換する「Rosetta 2」を備えているため、大部分のIntel Mac向けバイナリは、Apple Silicon搭載Macでも動作する。
しかしDockerは11月16日公開の公式ブログで、Docker DesktopをApple Silicon搭載Macで完全に動作させるには、macOS Big Surで新しくなった「Hypervisor」フレームワークに対応させる必要があると説明していた。Catalina以前のmacOSでは、Intelプロセッサが搭載する仮想化支援機能(VT-xなど)を使用していたが、Apple Silicon搭載Macでは、Armの仮想化支援機能に対応する必要があるとみられる。
今回のプレビュー版は、Dockerが開始した「Docker Developer Preview Program」に申し込めば無料で入手できる。Dockerは従来、安定版と開発版を自由にダウンロードできる形で提供してきたが、今回から開発版については申し込みを必須とした。同プログラムに申し込むと、Slackで開発者に要望なども送れるようになる。
さらにDockerは、Docker Desktopの最新安定版であるバージョン3.0.0の提供を始めた。従来のアップデートでは、Docker Desktopのソフトウェア全体を配布してインストールし直していたが、このバージョンからは前バージョンからの差分だけを配布するように変更し、ソフトウェアのダウンロードやアップデートにかかる時間を短縮した。
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