さいたまコレクションではAIによって“カッコいい”服を提案したが、ユーザーの予算や好みに応じてAIとスタイリストが似合う服を提案するサービスなど、すでにAIを活用したサービスはある。今後ファッションの分野において、AIはどのように活用されていくのだろうか。
世良さんは「ファッションの専門家ではないですが」と前置きしつつ、「確かに既存のサービスはありますが、人の顔立ちや背丈、趣味嗜好、服のブランドや色合いといったAIが学習するデータを大量に用意するハードルがまだ高いように感じます」と言う。データを蓄積していければ統計的に「この傾向の人はこの服がおすすめ」といった、より精度の高いサービスを企業が提供できるようになるかもしれない。
「デザインの工程でもAIの可能性を感じます」と世良さん。「GANの生成画像は、AIでは人が考えなかったような『何だコレ』といったものが出来上がりました。アイデアを引き出す分野ではAIが活躍するだろうと思います」と続ける。
デザインのアイデア以外にも、半袖から長袖へ変えたり、デザインをラフから線画に起こしたりといった、作業工程の効率化にも期待できる。「人がよりクリエイティブな仕事ができるようになり、AIと共存していくのではないでしょうか」
今回作った服の量産化などは予定していないが、NECでは今後もAIを活用し、金融や医療など幅広い領域でプロジェクトを進めていくという。さらにAIが進化することで、AIがデザインし、おすすめする服を着ることが日常的な光景になるかもしれない。
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