ここで次に問題になるのが「その指の曲げ伸ばし方向をどちらに向けるのがより自然か」、すなわち自然な手首の角度とは、という問題だ。この点についても自作キーボードはいくつかの解を提示している。
一つの解決法が上でも紹介した分割型のデザインだ。分割型のキーボードであれば、左右それぞれの手について手首に負担の掛からない角度で配置するだけでいい。また、「Alice」や「Atreus」と呼ばれるキーボード(及び類似レイアウト)では、一体型ながら手首の角度に配慮した設計になっている。
この他にも手首のねじれ方向に対する検討がされた自作キーボードもあり、自分にとって自由で楽な姿勢で入力できるお気に入りの一台を探せるのは自作キーボードのうれしいポイントの一つだ。
本連載の「見た目、打鍵感、職人技──シンプルそうで奥深いキーボードの「キーキャップ」を深堀り」「「たかがケース」とあなどることなかれ 奥深い「自作キーボードケース」の世界」でも紹介してきた通り、自作キーボードの魅力の一つがその自由なデザインだ。
「自作キーボード」で画像検索すると色も形状もさまざまな自作キーボードを見られる。自作キーボードでよく使われるCherry MX互換キースイッチはキーキャップを比較的簡単に交換でき、多くのメカニカルキーボードで採用されていることから、キーキャップも多種多様な色・形状のものが販売されている。
最近ではアクリルケースだけでなく、金属製のケースや木製のケースなど材質のバリエーションも増えて入手しやすくなってきており、キーボード・キーキャップをその日の気分に合わせて選ぶといった楽しみ方も可能だ。
なんと言っても自分で選んだパーツを自分で組み立てた自分だけの一台には愛着が湧くというもので、これもまた自作キーボードのうれしいポイントだ。
自作キーボードでしばしば聞かれる質問が「数字の行がないのに数字が入力できるんですか」というものだ。結論から言えばもちろん入力できる。
最初の動画(24秒〜)にもある通り、自作キーボードではレイヤーという機能を使って1つのキーに複数の機能を割り当てられる。この機能を利用してキーボードを「数字入力レイヤー」に切り替えれば数字はもちろん、記号やファンクションキーといった普段は指が届きにくいキーの入力が可能だ。
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