米Appleは1月28日(現地時間)、ユーザー向けのプライバシーに関するホワイトペーパー「A Day in the Life of Your Data」(英語版のみ。リンク先はPDF)を公開した。
その中で、昨年のWWDCで予告した、アプリでのトラッキング許可申請の義務付けを「early spring(早春)」に開始すると発表した。
日本語版のプライバシーに関するページでは「まもなく」「2021年初めから」となっている。
この取り組みは、アプリが他社のアプリあるいはWebサイトでユーザーをトラッキングしたり、IDFA(Appleが端末にランダムに割り当てるID)にアクセスするためにはユーザーの許可を得ることを義務付けるというもの。ユーザーはポップアップする許諾申請カードでデータへのアクセスを拒否することもできる。拒否してもアプリは利用でき、その場合、アプリ側は本来の目的の1つであるユーザーデータの収集ができないままサービスを無償で提供することになる。
米Facebookは、この機能が有効になればターゲティング広告による収入がメインである中小の開発者への影響が大きいとしてAppleを非難している。直近の業績発表では、Facebook自身にも影響があると予測した。
GoogleアプリやGmail、GoogleマップなどのiOSアプリをApp Storeで提供している米Googleは、この機能が有効になっても、IDFAを使わないことによって自社アプリでは申請カードは表示されないと発表した。
Appleのティム・クックCEOは同日、EU主催のオンラインのデータ保護カンファレンスで基調講演を行い、Facebookの名前は出さなかったものの、可能な限り多くのユーザーデータを集めようとするビジネスモデルを非難した。「ビジネスがユーザーを誤解させ、データを悪用し、(トラッキングするしか)選択させないように構築されているなら、それはわれわれの称賛に値せず、改革すべきだ」と語り、「あまりにも多くの企業が、どうすれば逃げ切れるかと尋ねる。彼らは(この取り組みによって)どんな成果があるか尋ねるべきだ」とも語った。
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