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絶妙な“引き算”で使いやすくなったコンパクトミラーレス、富士フイルム「X-E4」荻窪圭のデジカメレビュープラス(1/4 ページ)

» 2021年03月29日 15時10分 公開
[荻窪圭ITmedia]

 いやあ、なかなか攻めたカメラですよ、富士フイルムの「X-E4」。これ、単体で「気軽に使えるスナップ向けミラーレス一眼」として見ても面白いし、Xシリーズ内の位置付けも面白いのだ。

コンパクトボディの「X-E4」。レンズはXF 27mm F2.8を装着。X-E3から4年ぶりの後継機だ

 簡単にいってしまえば、四角くてコンパクトなエントリー向け。だけど性能はばっちり上位機を受け継いだミラーレス一眼となる。

 でも、前モデルの「X-E3」と比べると見た目以上の変化がある。

 大抵の場合、後継モデルって「足し算」してくる。性能が上がり、機能が増え、時にはボディまで大きくなったりしがちだ。

 でもX-E4は違う。足すだけじゃなくて「引き算」もしてきたのだ。性能は向上し、背面モニターがチルト化したものの、逆にボタンやダイヤル類がぐっと減って整理されたのである。

X-E4をX-E3と比べるとこれだけシンプルに

 大事な点なので比較しながらチェック。

 まずは前面。X-E3まであったフォーカスモード切り替えレバーがなくなった。これはメニューから操作する。このレバーが必要なのは一部であり、逆に不用意に触ってフォーカスモードが切り替わったのに気づかず撮影に失敗する人の方が多いわけで、ターゲット層を明確にした引き算だ。

左がX-E4、右がX-E3。Xシリーズの定番だったフォーカスレバーがなくなった

 続いて上面をちょっと前から。フロントの電子ダイヤルはシャッターボタン周りのデザインは継承しているが、グリップの出っ張りがなくなってフラットに。

X-E4(右下)はグリップがなくなりフラットになった。よりクラシカルに、より精悍(せいかん)に、ということか。

 見た目はすっきりしてかっこいいけど、実用上は指を引っ掛けるところが欲しい。それはオプションで用意されることになった。

 そして背面。注目点は4つ。ここにかなり違いがあるのだ。

X-E3からX-E4への変化が一番よく分かるのがこの角度。ボタンやダイヤルが減ってシンプル&フラットになった。見比べてみるべし

 まず「AUTO」レバーがなくなり、シャッタースピードダイヤルに「P」ポジションが付いた。

 従来と同じくシャッタースピードと絞り(これはレンズ側)ダイヤルが独立した構成なのだが、「P」モードを付けることでよりシンプルに使えるようになった。AUTOレバーのアイデアも良かったのだけど、Pモードの方が他のカメラを知ってるユーザーには分かりやすかったのだろう。

 2番目は親指の位置を安定させる出っ張りがなくなったこと。前後の出っ張りがなくフラットになったことでデザインはすっきりしたけどグリップの安定感は落ちた。こちらはアクセサリシューに付けるサムレストが別売りされている。

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