餃子が生まれた背景にはテクノロジーが介在していたことにも注目した。餃子の皮は小麦粉を使うことが一般的だが、小麦を粉体とするのには石臼が使われてきた。ところがこの石臼はエジプトから中国に伝わってきたテクノロジーだったという。
「小麦粉はもともと中国では豚の餌として使われていましたが、外から伝わってきた技術によって食べられるようになったって、すごい話じゃないですか。石臼がなかったら麺もないし餃子もない。食べられないものを食べられるようにするのが人間のすごいところです」
そしてREPUBLI9のロードマップは、このテクノロジーが重要なポイントとなっている。彼らは餃子を売るというだけではなく、餃子を軸としたモバイルクラウドキッチンカーを作ろうとしていうのだ。調理ロボットを載せた自律走行車を目的地まで走らせ、オーダーを受け取って調理ロボットが自動調理して提供。料金を受け取るシステムだ。
「ロボットだけで動き、作り、稼いでくる。しかも購入者の好みやアレルギーの有無で、具や皮の厚さを変えるといったパーソナライゼーションにも対応できます。こういうコンセプトのキッチンはまだ世の中に存在しません。またこのシステムはわれわれだけではなく、ホワイトラベルとして他の企業に提供することもできます。日本の餃子チェーンに、ニューヨークに出展しないかとか、調理ロボットの仕様を変更して海外チェーンに日本でビジネスするときに使ってみないかと提案できます」
コンビニなどのホットスナックを一番おいしく作れる調理ロボットなど、据え置きのシステムも考えているという。外食・中食産業においてスタッフの確保と育成は難しい問題とされているが、REPUBLI9のアプローチ次第ではこの問題を解決してくれるかもしれない。
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