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コクヨの紙とペン「PERPANEP」で改めて考えた、「書き心地が良い」とはどういうことだろう新連載「分かりにくいけれど面白いモノたち」(4/5 ページ)

» 2021年04月13日 15時06分 公開
[納富廉邦ITmedia]

 例えば、会議中に議事録をガンガン書きながら、自分用のメモも残しておきたいという場合、書く速度が重要になります。また、同じページに2種類の内容を書くことになります。ならば、ツルツル原紙の6mmステノ罫のノートにファインライターを組み合わせよう、といった具合です。じっくりと、スケッチなどをしながら、アイデアをまとめようという場合は、筆記感も手や脳を刺激してくれるはず、と考えて、ザラザラ原紙の4mmドット罫のノートに万年筆を合わせてみるというのも良さそうです。

photo 3mm方眼罫は、細かい図面などを書くのに向いているフォーマットだ
photo ステノ罫は、1ページを左右に分けて使いたい場合に便利

 つまり、この罫線の種類が多いということで、「書き心地」という感覚的で具体性に欠けるモノを、実用性と結び付けているのです。例えば、私は取材用のノートとして、相手の話を聞きながら、ひたすらメモを取る必要性と、筆記時の音が録音されにくいようにと考えて、ツルツル原紙と万年筆の組み合わせを使っています。字が下手な私は、ある程度文字を書くためのガイドが必要なので、罫は5mm方眼を選びました。同じく取材ノートでも、さらさら原紙の4mm方眼にゲルインクボールペンという人がいても、全然不思議ではありませんし、そういう個人個人の指向に寄り添ってくれるのが、このシリーズの最大の特徴なのです。

 また、私も取材の内容によっては、筆記具やノートを替えるかもしれません。そういう場合に選択肢があることがうれしいのです。もちろん、「PERPANEP」のノートに、他社の筆記具を組み合わせたり、その逆だってアリです。大事なのは、「書き心地の違い」を道具の使い勝手のひとつとして考える姿勢でしょう。

photo こんな風に、手で押さえなくてもキレイに180度、平たく開くように製本されている
photo 「ザラザラ」の表紙。下部にギザギザのラインが薄く印刷されている。「さらさら」はここが波線になりl、「ツルツル」は直線になっている。直感的に分かりやすいデザインだ

 このノートがまた、よく考えられていて、例えば、持ち歩くことを考えて、コンパクトなA5サイズになっているのですが、開くと180度、本当に平たくなるので、ほとんどA4用紙を横にして使っている感じになります。無線綴じとコデックス装のいいとこ取りをしたような製本は中央の段差も気にならず、開いた時にノートの端を手で押さえる必要もありませんから、スマートフォンなどで撮影する時にも、ノド部分に影が出たりしないのです。それでいて、紙が外れてしまうこともない製本強度も実現。ツルツルが96g/m、さらさらが75g/m、ざらざらが90g/mで各60枚なので、あまり重くなく、複数持ちもあまり苦にならないという仕様も、実際の利用を考えた設定になっています。

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