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快適エリアは片道3km圏内 ついに始めた電動キックスクーターのある生活(3/3 ページ)

» 2021年04月30日 15時18分 公開
[武者良太ITmedia]
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 前後ディスクブレーキによって制動力は安心できるもの。バッテリー残量やマップ、LOMの現在位置を確認できるスマートフォンとの通信はBluetoothで行う。スマートフォンは鍵にもなる。盗まれた場合でも再度ペアリングがしにくいよう、円形のカムロックで保護されている。

photo Bluetooth表記も

 常時点灯ヘッドライト、ウインカー、テールランプ、ナンバープレート灯、リフレクター、ミラー、ホーン、前後ブレーキ、メーターといった保安装置はしっかりと整っている。駆動輪は後輪。10インチのインホイールモーターを採用。前輪は12インチ。サスペンションはないが、太く、空気がたっぷりつまったタイヤのおかげで路面のショックはさほど感じない。

photo 大きく重みのある標準バッテリー(付属)。こちらも簡単に外れないように物理キーで固定される。キーの種類はBluetoothロックキーとは別だ

 付属する標準バッテリーを使うと約40km走行できるという。アプリの画面には、ユーザー登録時に入力した自分の体重を考慮した参考走行可能距離が表示される。体重90kgの筆者の場合は1回の充電で23kmの走行が可能と表示された。

photo グリップのおかげで引き歩きしやすいが、腕にかかる重さはかなりのもの

 EVのような回生ブレーキはない。ストップ&ゴーの多い市街地では、走行距離はもっと短くなるだろう。片道10km、余裕を見て片道8kmか16〜17kmのルートを走るためのモビリティと考えたらいいだろうか。旅行中の足として使って、ホテルでは室内持ち込みを許してもらって充電する。そんな電車を使った輪行旅もいいなと想像していた。

 いやいやいや! 片道3km圏内でしか使いたくないし、5kmが限界だこれ! それ以上走るなら自転車こぐか、大型バイク出したほうがいい!

photo ミラーの固定ネジ。シンプルな造形で目立たせたくないという意図は分かるが、着実に固定できる構造を求めたい

 車両そのものは剛性感が高く頼もしい。しかし折りたたみ式のハンドルは、バイクとして捉えるにはガタツキが気になってくる。自分の体重が重いというのもあるが、パワーの出方が優しさにあふれていると感じつつハイパワーなモードにすると、ショートホイールベースの後輪駆動のため上りの坂道ではウイリーしやすくなる。

 前輪に荷重をかけて安定させると今度は、バーエンドミラーがまったく見えない。なんとか斜め後ろが見えるように位置を調整しても、走行時の振動で固定ネジが緩んで動いてしまう。

 シートがない立ち乗りというのは、想像以上に疲れるものだった。風を全身で感じ取れるというプリミティブな楽しさはかけがえのない体験だが、ネガティブな印象を染み付かせないよう、近場の移動専用車両として使うべきだ。

 といったところで、現在は1駅2駅先の大型スーパーや新鮮な魚を仕入れている鮮魚店、おいしいベーカリーを巡るコースを巡るためのモビリティとなっている。運転に慣れてきたら、そしてミラーをカスタムして周囲を確認しやすくなったらもうちょっと頑張れる気もするが、いまは、これが精いっぱい(CV:山田康雄)。

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