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日本でも広がり始めた「フェムテック」 女性が抱える健康課題にテクノロジーで取り組むルナルナに聞いた(前編)(3/3 ページ)

» 2021年04月30日 20時55分 公開
[旦木瑞穂ITmedia]
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社会を巻き込み進化していく「ルナルナ」

 「当初は、公式キャリアメニューとしての展開を考えていましたが、各キャリア全てに承認をいただくまでにもとても時間がかかりました。やはり課題は『サービスとして、生理という性的でデリケートなものを扱っていいのか?』というところ。常に『前例がない』と言われ、キャリアによっては慎重に議論されました」(那須さん)

 最初に承認が降りたのはKDDI。au端末向けのサービス「ルーナ」の名称で2000年に配信スタート。その6年後の2006年には「ルナルナ」としてソフトバンクで承認され、翌年の2007年にドコモで承認が降りた。

photo ガラケー版ルナルナ

 2010年3月には20代から30代の女性500人に、「生理に関する実態調査」を行い、「生理前の心と身体の変化」について聞いたところ、そのうち約9割の人が感じると答え、約3割は「強く感じる」と答えた。具体的には、生理前になると「イライラする」という人が約7割。「落ち込みやすくなる」という人は約5割だった。さらに興味深いことに、「夫(彼)にも生理周期を知ってほしい」と答えた女性が約7割。「心や身体の変化を気遣ってほしい」という答えが多く上がった。

 スマートフォンが普及してくると、2010年6月にスマートフォン向けアプリ「ルナルナ」をリリース。

 2020年10月に同社が20代〜40代の男性600人に調査したところ、「彼女・妻など特定のパートナーの女性特有の体調について知りたい」と答えた人は約9割に上った。こうした結果を踏まえ、ルナルナの登録データをパートナーも閲覧できるサービス「ルナルナ〜彼女の医学〜」がスタートした。

 ルナルナの会員数は、2011年には200万人を突破した。

photo 現在のスマートフォン向けルナルナのトップ画面

後編に続く。

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