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「会員制バーチャル墓地」、東京芸大発ベンチャーが発表 虹彩由来のアートをブロックチェーンに記録

» 2021年05月20日 16時54分 公開
[荒岡瑛一郎ITmedia]

 東京藝術大学発のベンチャーeach tone(東京都豊島区)は5月20日、会員制バーチャル墓地サービス「viz PRiZMA」(ヴィーズ プリズマ)を発表した。会員が虹彩データから作ったアート作品を他界後にバーチャル空間に展示することで、家族や子孫がスマートフォンなどから時間や場所を気にせずアクセスできる。作品はブロックチェーンに記録されるという。

 生前、会員はワークショップに参加してアーティストと一緒に自分の虹彩データからアート作品を作る。合わせて声や身体の動きの特徴なども収集し、バーチャル墓地の作成に活用するという。

 会員が他界し、代理人から連絡を受けると、同社は会員が作成した虹彩由来のアートをバーチャル空間に展示する。作品の公開範囲は一般公開や限定公開など会員自身が選択できる。家族などの閲覧者は、PCやスマートフォンから故人の作品を見ることで、個人に関する記憶や思い出に触れられる。

他界後の流れ(viz PRiZMAサイトより引用)

 作品の管理にはブロックチェーン技術を活用。暗号化したデータを複数端末で分散管理することで改ざんを防ぐという。デジタルコンテンツの流通管理ソフトウェア開発を行うArtree(東京都港区)が技術提供する。

 会員は入会時に50万円(税別)を支払うことで、他界30年後までサービスを利用できる。年会費や物理的な墓石の購入管理費がかからないため、実際の墓地を利用するより利便性や経済性に優れるとしている。

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