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大幅にUIが変わる予定のAdobe Premiere Pro 狙いはどこに?小寺信良のIT大作戦(3/4 ページ)

» 2021年06月28日 12時46分 公開
[小寺信良ITmedia]

最大の変化点とは

 新UIでは、大きなワークフローの改善が見られる。現UIでは、新規プロジェクトを立ち上げた後、素材をインポートするという流れだったが、新UIでは新規プロジェクトを作ると同時にメディアブラウザが起動してくる。

photo 新UIでは新規プロジェクトを作る過程でメディアブラウザ画面に遷移する

 そこで必要な素材を選び、「作成」をクリックすると、素材がインポートされ、全クリップがタイムラインに配置されるまで自動で行われる。

 動画編集の方法は、大きく分けてやり方が2つある。頭から順に必要なカットを必要な分だけタイムラインに切り出していくという、テープ時代から連綿と続く編集方式を、筆者は「盛り皿方式」と読んでいる。皿の上に刺身の盛り合わせを作っていくイメージだ。

 もう1つノンリニアらしい方法としては、素材をずらっとタイムライン上に並べて、その上で細かく刻んだり順番を並べ替えたりして完成へ近づけていく方法だ。この方式を筆者は、「まな板方式」と読んでいる。まな板の上で素材を加工して完成まで持っていくイメージである。

 Premiere Proの新UIは、デフォルトで「まな板方式」になる。おそらく今のPremiere Proユーザーは、そうやって編集する人が多くなったからだろう。この方法は無駄なカットを撮らない、単に長いものをどんどん切り込んで短くしていくだけのVlogみたいな編集はやりやすい。逆に莫大な量の素材があるテレビ番組などには向かない。カットが多すぎて収集がつかなくなるからだ。

 加えてまな板方式は、素材を示すモニターとタイムライン上を示すモニターという2モニター方式でなくても良くなるというメリットがある。そのぶんメインウィンドウを広く取れるし、サブウィンドウには常に波形モニターを表示しておけるといったメリットも出てくる。

photo まな板方式では、サブモニターの役割も変わってくる

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