神奈川工科大学先進AI研究所は6月28日、自宅で受けるオンライン試験のカンニング行為を音で検知するAIを発表した。マイクが拾った音から会話などを検出でき、カメラを使う場合よりも見逃しにくいという。同学で行う7月の学期末試験で試験運用する。
専用のWebアプリがPCのマイクから音を拾い、会話、教科書やノートをめくる音、室内を歩く音をAIで判定。これらを検出するとカンニングとして教員に連絡する。学内の小テストなどで学生への印象を検証したところ「被監視感が強くなり、不正の抑制効果も大きいのでは」といった回答が得られたという。
AIの学習には、さまざまな部屋や状況でオンライン試験を受けている環境を想定した音声を約300人分用意した。例えば部屋の床は「カーペット」「畳」「フローリング」など5種類、学生の履きものは「スリッパ」「靴下」「はだし」など5種類、部屋の広さは「4畳以下」「6畳以下」「8畳以下」「8畳より大きい」の4種類でデータを集めたという。
ただし、スマートフォンを使ったカンニングなどは、音があまり出ないため見抜けないという。同学は現在、スマホのジャイロセンサーを活用したカンニング防止システムも開発中で、これらを組み合わせた運用を検討するとしている。
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