弱点といえば、ファイルの扱いであろう。例えばローカルにある30枚の画像をDropboxにコピー、みたいな作業はものすごく時間がかかる。最初からクラウド上のファイルだけ扱っていれば早いのだろうが、スクリーンショットみたいなものはローカルドライブに保存されるので、扱いが面倒なところだ。
またビジネスユースで意外に使うのが、プリンタではないだろうか。業務では封筒のラベル印刷とか地味な作業が残っていたりする。以前のChrome OSはプリンタに接続するのが結構大変で、「Google クラウド プリント」というサービスを経由しないと印刷できないケースが多かった。だが2020年いっぱいでこのGoogleクラウドプリントサービスが終了してしまっている。
筆者宅のプリンタはたまたまChromebook対応だったのですぐ使えるようになったが、業務用レーザープリンタなどはどこかにプリンタサーバを立てないと使えないケースがあるようだ。
もう一つ残念なポイントは、Chrome OSではAndoridアプリをインストールして使えるが、CloudReadyにその機能はないことだ。Windows 11でもAmazon経由でAndroidアプリが使えるようになるそうだが、その点では一歩トレンドに乗り遅れる格好だ(ただし、公開中のプレビュー版ではまだAndroidアプリへの対応は実装されていない)。
これまで旧型PCは、パフォーマンスの低下を恐れてアップデートせず旧OSのままで使い続けるケースもあったが、これはセキュリティ的に問題が大きい。思い切ってLinuxを入れるという手もあるが、一般の人にはどのディストリビューションを入れるべきかの判断は難しい。
Windows 10のサポートも当面続くとはいえ、パフォーマンスが落ちて持て余しているぐらいなら、Chromebook化してみるというのは実用的だ。一度Chromebookがどんなものか体験してみたい方も、本物を買うより安上がりである。
今後中古市場には、Windows 11チェックに弾かれたPCが大量に放流されてくると思われる。そこからきれいなマシンを漁(あさ)ってChromebook化して再利用していく方法は、割と真面目にアリなのではないか。教育分野はもちろん、ホビーやビジネスユースのセカンドマシンとしても、この方法は考慮しておくべきだろう。
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