事業化を決め、メインターゲットの設定で生きたのが、約7年間のフリマアプリの運営経験だ。堀井社長によると、フリルユーザーの特徴が「時間はあるけど、お金はない」という点だったという。具体的には、都内在住(主に郊外)の20代で、手取りが月20万円程度の層が多かったという。
独自調査の結果、支出にクレジットカードを使っているものの、後払いのため、残金の把握が難しいという意見や、銀行口座との連携ができないといった声があった。
当時、家計簿アプリは20種類ほどあったが、多くは銀行口座との連携が前提で、各サービスのUIも日々のキャッシュフローではなく、資産のポートフォリオを見るような設計のものだったという。
独自調査では、銀行とカード決済のアプリを往復して閲覧し、入出金をiPhoneのメモ帳に転記してマイナスにならないよう管理している人や、無印良品のパスポートケースに用途別に現金を分けて支出を管理している人の存在も判明した。
堀井社長は「銀行口座に直結する形の家計簿アプリは連携範囲が広すぎて、支出をアナログ的に管理してきた人たちの課題解決になっていない」と考え、ターゲットを設定した。
現在はVISAからのカード発行手数料がメインの収入源。当面は発行枚数=ユーザー数の純増がマネタイズに直結する。今後は、生活費の使い道を増やして管理する機能の有料化を検討している。個人の生活費管理だけでなく、家族や仕事仲間の家計管理にも横展開し、将来的には資産運用アプリとしての展開も視野に入れているという。
現在はiOSのみの展開だが、Android版アプリも開発中だという。堀井社長は「年内のリリースを目指す」としている。
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