米Googleは9月8日(現地時間)、オフィススイート「Google Workspace」(旧「G Suite」)の複数の新機能とハードウェアを発表した。コロナ禍で常態化する企業の「ハイブリッドワーク」を支援することを目的としたものだ。
ハイブリッドワークとは、リモートワーク(自宅などのオフィス以外)とオフィスワークを組み合わせた働き方のこと。Workspaceは、米Microsoftの「Microsoft 365」のようなオフィススイートで、「Gmail」「チャットルーム」「ミート」「ドライブ」「カレンダー」「ドキュメント」「スプレッドシート」「スライド」などのサービスをグループウェアとして利用するための組織向けオンラインアプリセットだ。今回の発表は、職場の会議室でも個人宅でも、Web会議などを快適に行えるようにするための改善が中心になっている。
「Room」(日本では「チャットルーム」)が「Spaces」という名称に変更されることは6月に発表済みだが、これが実施され、すべてのユーザーのGmailアプリでチャットルームがSpacesに変わる(本稿執筆現在、筆者のWorkspaceではまだ「チャットルーム」と表示される)。
Spacesは、Googleのカレンダー、ドライブ、ドキュメントなどのツールと統合されており、ユーザーはSpacesで会話の履歴ややりとりしたコンテンツなどを確認できる。GoogleはSpacesを「コラボレーションの中心的ハブ」と説明している。
GoogleはGmailを仕事のための統合環境にすると発表している。「チャットルーム」(まもなく「Spaces」に改称)も「チャット」もGmailから起動するようになっており、新機能として、“間もなく”Gmailのモバイルアプリのチャット画面から相手に電話をかけられるようになる。「着信相手にはGmailモバイルアプリを実行しているスマートフォンだけでなく、ノートPCのチャット画面にもプッシュ通知が表示されるので、どこからでも応答できる」という。
「コンパニオンモード」は、ハイブリッドワークでWeb会議用システム完備のオフィスの会議室にいるユーザーが自分のノートPCからWeb会議にストレスなく参加できるようにするモード。会議室のスピーカーとの併用でハウリングを起こしたりしないようになっており、自宅からの参加と同様に自分のPCからコンテンツを共有したりプレゼン資料を手元で見たりできる。この機能は11月からロールアウトする。
また、年末までに英語を仏、独、スペイン語、ポルトガル語にライブ翻訳したキャプションが利用できるようになる。
会議室用のWeb会議ハードウェアも複数発表した。
いずれもGoogleのクラウド接続ホワイトボード「Jamboard」のアプリが組み込まれた会議用オールインワンデバイス。Series One Desk 27は27インチで狭い会議室や個人宅向けで、Series One Board 65は65インチで4Kサポートの、やや広めの会議室用。別売のスタンドもある。
単体で使えるが、USB Type-Cポートを備えるのでノートPCに接続することも可能だ。
Google純正ではなく、米Avocorとの提携による製品。発売時期や価格などはまだ不明。
中小規模の会議室向けの「Google Meet認定製品」がLogitechやAppcessori Corporationから発売される。
Appcessoriの「Rayz Rally Pro」はスマートフォン向けスピーカードック。スマートフォンを差しておくと、Google Meetを自動的に起動し、そのまま会議に参加できる。
企業はGoogle MeetハードウェアのWebサイトから購入できるようになるが、本稿執筆現在、日本向けのWebサイトはまだない。
“間もなく”米CiscoのWeb会議システムWebexのハードウェアでのGoogle Meetのミーティングと、Google MeetハードウェアでのWebexミーティングが可能になる。
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