「インスタコード」は、大ざっぱに言えば、誰でもがコードをかき鳴らして、弾き語りやセッションができるよ、という“楽器ガジェット”だ。楽器ではなく楽器ガジェットと呼ぶのは、電子楽器で、MIDIに対応していて、音楽ソフトへの入力やiPadなどに入れた音源を鳴らしたりできるから。そこが、「一五一会」のようなアコースティック楽器との大きな違いだ。
見た目も、楽器というよりガジェットっぽく、好き嫌いの分かれるところだろうけれど、ガジェットっぽさに抵抗がある人向けに急きょホワイトモデルも作ったという。個人で製作してるからこそのフットワークの軽さだ。
最もガジェットっぽいのは、コード演奏をテンキーで行うところだろう。日本人の多くがタッチタイピングできるテンキーなら操作も簡単で、すぐに覚えられるだろうという発想なのだが、これが見事に当たっている。実際、テンキーの1〜9までの9つのキーだけで、大抵のポップスなら弾き語り可能なのだ。
テンキーを押すと、画面には押したキーに対応するコードが白黒反転表示され、今押しているコードが分かる。そして、もう一方の手で、縦長の6つのパッドをギターの弦のように、ジャランとかき鳴らしたり、1つずつアルペジオのように弾いて音を出す。キーパッドのように上から押して音を出すこともできる。
弦ではなくパッドだし、デザインも左右対称だから、右利き、左利き両対応なのも特徴。MIDIのGS規格の音源が内蔵されているので、本体だけで128種類の音色を選べ、外部音源を鳴らすことも可能。ギターっぽい弾き方でオルガンの音を鳴らしたりもできる。これらが、インスタコードの大まかな機能だ。
もともとはギターが弾けない永田氏が、「コードをジャラーンと鳴らしたような演奏を音楽制作ソフトに簡単に入力するツールがほしい」と考えたところから、この「インスタコード」は始まっている。その時に思い付いた、コードをテンキーで操作するというアイデアを実装するととても扱いやすくできたので、「これなら初心者が演奏できるガジェットが作れるかも」と思ったのだという。
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