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テンキーで超簡単に弾けるギターっぽい楽器「インスタコード」 「僕にも弾けた」系ガジェットへの挑戦は続く分かりにくいけれど面白いモノたち(4/5 ページ)

» 2021年09月30日 11時13分 公開
[納富廉邦ITmedia]

複雑なコードだって弾ける、けど弾かなくても良い

 もちろん、キーを2つ押すことで、難しいコードにも対応している(ただし分数コードには対応しないので注意)。しかし、これは開発者の永田氏も言っているのだけど、例えば7thコードとか、major 7th、9th、6thといったコードは、確かに響きはカッコいいのだけど、どれも元になるコードに、7thなら7thの音を足しただけだ。

photo キーを2つ使って、G7を押さえているところ。7thキーを小指で押さえられるようになると、演奏の幅が広がる

 つまり、CとC7のコードの違いは、ドミソかドミソシbかというだけだから、C7のところでCを弾いても、シbの音が足らないだけで、間違った音が鳴るわけではない。つまり、弾き語りや合奏をする時に、Cを弾いてしまっても特に困ることはない。

 もちろん、7thの音が入った方が響きがカッコいいから、弾けるようになったら弾けばいい。そこは練習が必要だけれど、練習してうまくなるのも楽しい。誰でも弾けるといっても、うまくなる余地がある方が、楽器としてもガジェットとしても面白い。

 そこに救済策が用意されているのも、このインスタコードのすごいところで、イージーモードというものが用意されている。これは、キーを一度押せば、次のキーを押すまでは、キーから指を離しても、そのキーを押したままの状態になるモード。

 だから、例えば、1→4という進行の際に、1を押してジャラーンの弾いている間に、指をボタンから離して、次の4のキーを押す準備をしていても、ちゃんと1の音が鳴る。慌てなくてもコードチェンジができるというわけだ。

photo 「〜」キーはスワップキー。これを押すと、メジャーとマイナーが入れ替わるので、画面表示上も、本来マイナーになる2、3、6、7キーがメジャーに、他のキーがマイナーになっている

 よくあるコード進行として、C→C7とか、G→G7といったパターンがあるのだけど、これも、イージーモードならCを鳴らしている間にCのボタンから指を離しても、7thのボタンを押せば、それだけでC7の音が鳴ってくれて、7thボタンを離すとまたCに戻るようになっているから、かなり簡単に演奏できる。

 感心したのは、7thロックという機能が用意されていること。この7thロックキーをオンにすると、全てのコードに自動的に7thの音が追加されるのだ。

 イメージとしては、キーボードのキャプスロック(capslock)のようなもの。この7thロックをオンにすると、「Just The Two of Us」(グローバー・ワシントンJr.の「クリスタルの恋人たち」)進行とか、「丸の内サディスティック進行」などと呼ばれる、Fmaj7→E7→Am7→C7といった、やけに7thが並ぶけれど、響きがとてもカッコいい進行も、

4→3-→6→1

と、簡単に弾けるのだ。

 2つ目のコードは3とスワップキーというメジャーとマイナーを入れ替えるキーを押す必要があるけれど、これも最初は3キーだけでオッケー。取りあえず、なんとなくおしゃれな伴奏にしたいと思ったら、7thロックを使うと良いという、この発想が楽しい。

 このテンキー部分をそのままiOSで体験できるアプリ「InstaChord-i」も配布されているので、まず触ってみたいという人は、こちらも試してみて欲しい。こっちは、むしろ、コード理論とかを知っている人の方が楽しめるかもしれない。

photo iOS用アプリ「InstaChord-i」を使えば、インスタコードのコード操作をアプリ上で再現可能(7thロックはなし)。アプリ内課金で、使えるコードを増やしたり、音色を増やしたり、MIDI出力が可能になったりするので、本格的なコード入力アプリとしても利用可能だ

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