もちろん、キーを2つ押すことで、難しいコードにも対応している(ただし分数コードには対応しないので注意)。しかし、これは開発者の永田氏も言っているのだけど、例えば7thコードとか、major 7th、9th、6thといったコードは、確かに響きはカッコいいのだけど、どれも元になるコードに、7thなら7thの音を足しただけだ。
つまり、CとC7のコードの違いは、ドミソかドミソシbかというだけだから、C7のところでCを弾いても、シbの音が足らないだけで、間違った音が鳴るわけではない。つまり、弾き語りや合奏をする時に、Cを弾いてしまっても特に困ることはない。
もちろん、7thの音が入った方が響きがカッコいいから、弾けるようになったら弾けばいい。そこは練習が必要だけれど、練習してうまくなるのも楽しい。誰でも弾けるといっても、うまくなる余地がある方が、楽器としてもガジェットとしても面白い。
そこに救済策が用意されているのも、このインスタコードのすごいところで、イージーモードというものが用意されている。これは、キーを一度押せば、次のキーを押すまでは、キーから指を離しても、そのキーを押したままの状態になるモード。
だから、例えば、1→4という進行の際に、1を押してジャラーンの弾いている間に、指をボタンから離して、次の4のキーを押す準備をしていても、ちゃんと1の音が鳴る。慌てなくてもコードチェンジができるというわけだ。
よくあるコード進行として、C→C7とか、G→G7といったパターンがあるのだけど、これも、イージーモードならCを鳴らしている間にCのボタンから指を離しても、7thのボタンを押せば、それだけでC7の音が鳴ってくれて、7thボタンを離すとまたCに戻るようになっているから、かなり簡単に演奏できる。
感心したのは、7thロックという機能が用意されていること。この7thロックキーをオンにすると、全てのコードに自動的に7thの音が追加されるのだ。
イメージとしては、キーボードのキャプスロック(capslock)のようなもの。この7thロックをオンにすると、「Just The Two of Us」(グローバー・ワシントンJr.の「クリスタルの恋人たち」)進行とか、「丸の内サディスティック進行」などと呼ばれる、Fmaj7→E7→Am7→C7といった、やけに7thが並ぶけれど、響きがとてもカッコいい進行も、
4→3-→6→1
と、簡単に弾けるのだ。
2つ目のコードは3とスワップキーというメジャーとマイナーを入れ替えるキーを押す必要があるけれど、これも最初は3キーだけでオッケー。取りあえず、なんとなくおしゃれな伴奏にしたいと思ったら、7thロックを使うと良いという、この発想が楽しい。
このテンキー部分をそのままiOSで体験できるアプリ「InstaChord-i」も配布されているので、まず触ってみたいという人は、こちらも試してみて欲しい。こっちは、むしろ、コード理論とかを知っている人の方が楽しめるかもしれない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR