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» 2021年10月06日 15時14分 公開

民間初のワクチンパスポートアプリ「ワクパス」 接種証明でアパホテルやかっぱ寿司など優待に

民間初のワクチンパスポートアプリ「ワクパス」を一般社団法人メディカルチェック推進機構とICheckが提供を始める。政府が発行予定のワクチンパスポートとは異なり、参加企業のサービスをワクチン接種者により利用してもらえるように促すためのものとなる。

[山川晶之,ITmedia]

 メディカルチェック推進機構(東京都板橋区)とPCR検査などを提供するICheck(東京都千代田区)は10月6日、ワクチン接種を証明するアプリ「ワクパス」の提供を始めると発表した。利用料は無料、アプリは近日中に配信予定としている。ワクチン接種者によるサービス利用を促すことで、賛同企業の従業員を保護しつつ経済活性化を目指す。

ワクチンパスポートアプリ「ワクパス」

 政府が提供を予定しているワクチンパスポートアプリとは異なり、企業がインセンティブを与えてワクチン接種者にサービスを利用してもらうよう民間主導で発行するもの。2回のワクチン接種証明書と運転免許証、マイナンバーカード、在留カード、パスポートなどの顔写真付き身分証明書を登録して利用する。

「ワクチン接種済証」あるいは「接種記録書」が必要

 アプリでは、ワクチン接種証明画面の表示、賛同企業の店舗などで使えるクーポンの取得、抗原検査キットの購入が可能。アレルギーで接種できないユーザーに不利益がないよう、検査による証明など代替措置も用意する。今後は、政府のワクチンパスポートとの協調、3回目のワクチンを接種する「ブースター接種」への対応、陰性証明書の発行、海外渡航で使うグローバルパスポートとの連携なども検討する。

ワクチン接種者にクーポンなどで来店を促す
3回目のワクチンを接種する「ブースター接種」への対応、陰性証明書の発行、海外渡航で使うグローバルパスポートとの連携なども検討

 iCheckによると、登録時にアップロードされた個人情報、本人確認書類、接種証明書を基に目視で本人確認するという。本人確認書類は暗号化を施したクラウド上に画像として保管。スマホを機種変更した際の確認や、「CommonPass」などワクチン接種記録アプリとの連携、ブースター接種時の本人確認の他、クーポン提示時にアプリで表示される顔写真データとしても利用する。クラウドサービスはAWSを採用。本人確認書類、接種証明書ともにテキストデータ化はしないという。

 ワクチン接種証明画面に加え、店員にアプリのクーポンページを提示することで追加のサービスを受けられる。参加企業は、アパホテルやHIS、かっぱ寿司、鹿島アントラーズ、JT(日本たばこ産業)、サンワサプライ、東京商工会議所など。賛同した企業以外にもクーポンを無料で掲載可能。掲載時には審査を設ける。参加企業は順次拡大予定という。

参加企業一覧

 メディカルチェック推進機構の香山充弘理事長は、「民間企業からワクチンパスポートを望む強い声にできるだけ早く応えるべく、スマホアプリで提供した」と述べる。アプリの構想から提供まで約2カ月で実現したという。政府提供のアプリ以外にも民間でワクパスと同様のサービスが出てくる可能性もあるが、「ニーズに応えたもので、競争するわけではない」(香山氏)と述べた。

 参加企業の1社であるアパホテルの元谷芙美子社長は、「人の動きが抑制されたことで、国内外のホテル業界が苦境に立たされている。ワクパスを活用することで、より多くの方に安心安全な宿泊、観光してほしい」と述べる。鹿島アントラーズの小泉文明社長(メルカリ取締役会長)も「観戦者数が満員時の3分の1ほどに減り、例年と比較して約20億円減収。選手へのメンタル面にも影響している」と指摘。ワクパスユーザー向けのイベントやノベルティなどを配布することで「みんなで安心安全性を確保したい」(小泉社長)と語った。

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