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Facebook、“次の10億人”接続のためのケーブル敷設ロボット「Bombyx」を披露

» 2021年10月08日 09時39分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 米Facebookは10月7日(現地時間)、「次の10億人のための接続技術」という公式ブログで、同社のConnectivity Labが取り組んでいる技術を紹介した。いずれも既に発表済みのものだが、Inside the Labというイベントで改めて披露した。

 同社は2013年に“残りの50億人”をネットにつなげるための共同体「Internet.org」を立ち上げ、翌年そのためのラボConnectivity Labを立ち上げた。これまでに3億人以上の人々に高速インターネットへのアクセスを提供したという。

 光ファイバー敷設ロボット「Bombyx」は7月に発表されたもの。おおまかに説明すると、既存の電話線に軽量の光ファイバーを巻きつけていくロボットだ。光ファイバーは従来のケーブルの数千倍の帯域幅を持っており、家庭に直接つなげればメタバースのような負荷の高いサービスでも快適に利用できるようになる。だが、光ファイバーネットワークの展開にはかなりのコストが掛かるので、既存のインフラを利用することを思いついたという。

 bombyx 1 作業中の「Bombyx」

 電話線であれば多くの企業や家庭を網羅している。電話線に光ファイバーケーブルを巻きつける方法は80年代初頭に「ヘリカルラップ方式」として開発された。Bombyxはこの作業を自動で行うために構築された。下の動画は、Bombyxが電柱を乗り越えて作業を続ける様子だ。


 Bombyxは1km以上の光ファイバーを搭載し、約1時間半で数十の障害物を自律的に乗り越えながら敷設できる。ロボット1台当たり平均で1日1.5〜2km敷設できるという。この方式で、人件費その他のコストが大幅に削減でき、総コストは1m当たり2〜3ドルになるとしている。

 同社はこの他、昨年5月に発表した海底ケーブル「2Africa」の拡張、2016年に発表したマルチノード無線システム「Terragraph」の進捗状況も発表した。

 2Africaはアフリカ、欧州、アジアを結ぶ大規模海底ケーブル。9月末に、9つの新たな新拠点を追加し、全長4万5000kmになると発表した。

 Terragraphは既にアラスカ州アンカレッジの6500以上の家庭に高速インターネットを提供しており、現在「世界で最も孤立した都市の1つ」オーストラリアのパースで展開中だ。

 Facebookは4日、6時間にわたる大規模なサービス停止を引き起こした。マーク・ザッカーバーグCEOによるBombyx紹介のFacebook投稿には「そんなことよりFacebookをダウンさせるなよ」というコメントがついている。

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