ノイズキャンセリングヘッドフォン分野では、ここ3年ぐらい、「WH-1000XM3」の牙城が崩せない。2019年にソニーがリリースした、キャンセル力・音質・装着性が優れていることで評価の高い製品だ。そんな中、ノイキャンヘッドフォンとして唯一対抗できるブランドが米国のBoseである。
とはいえ、スタンダードのQuietComfort 35 IIの発売が2017年、ハイエンドのNoise Cancelling Headphones 700の発売が2019年と、Boseは近年ヘッドフォンの新作から遠ざかっていた。だが10月28日、スタンダードモデルの新作である「QuietComfort 45」が発売された。
ノイズキャンセリングヘッドフォン・イヤフォンのニーズは、コロナ禍以降から傾向が変わってきた。
電車や飛行機での移動時が主戦場だった時代から、テレワークで集中するために使う、ビデオ会議で使うといったニーズが生まれ、ピンポイントでの利用から長時間利用に変わってきた。すなわち2020年からニーズが変わってきているわけで、それ以前に発売されたモデルでは、若干ニーズに合わない部分も出てきているわけだ。
その点で、Boseがこのアフターコロナ時代に新作をどうチューニングしてきたのか、気になるところである。今回は、リモートワークを含めた普段使いという条件の中で、Quiet Comfort 45がどう対応できるのか、その辺りを調べてみたい。
Quiet Comfort(以下QC)は、Boseのノイズキャンセリングヘッドフォンのロングセラーシリーズで、初代の発売は2000年。当時は当然ながらワイヤードのヘッドフォンで、別途バッテリーボックスが必要だった。筆者は乾電池内蔵型となったQuiet Comfort 2を2004年に購入し、米国出張などの際によく使ったものだった。その後、1桁ナンバーは3までで終了し、以降は15、25、35、35 IIと2桁ナンバーが続いて、2021年に45が発売されたという流れである。
QC45はブラックとホワイトスモークの2色展開で、公式ストア価格は3万9600円。今回はホワイトスモークをお借りしている。トーンとしては少し緑に転がしたライトグレーで、純粋に真っ白というわけではない。
基本的なデザインはQC35 IIと大きく変わらないが、このときはブラックとシルバーの2色で、シルバーは色味としては派手だった。45のホワイトスモークはそれよりも柔らかい印象を与える。
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